自分が住まない住居を上手に活用している方もいらっしゃいますが、遠くの空き家などは放置しがちです。

実際に、現在は日本全国で空き家の放置が多くなってきているという問題が浮上してきています。

空き家の放置は、その建物の周りの住民の迷惑になるだけでなく、自分自身にトラブルが舞い込んでくる元です。

そもそも空き家が放置されがちなのは、遺産相続などでいきなり自分の所有物となった空き家をどうすればいいかわからないという方が多いからです。

使わないのであれば売ってしまうのが最も賢い選択ですので、ここでは主に空き家の売却について紹介させていただきます。

空き家はそのまま売却するのがいいのか?リフォームは?

空き家を売却したいとなった場合、その建物をそのまま売却してしまった方が良いのか悩みますよね。

リフォームしないと買い手がつかないと言われることもありますが、リフォームにもお金がかかるためどうすればいいのかわからないという悩みも多いようです。

実際には古い空き家などはリフォームをした方が売却時に高くなる可能性がありますが、リフォームすることでメリットとデメリットがあります。

リフォームをすることでのメリット

建ててからそんなに年月が経過していない空き家であれば、恐らく状態も見た目もまだきれいだと思いますので、わざわざリフォームする必要はないかもしれません。

しかし、ボロボロになった空き家はなかなか買い手もつかないでしょうし、売れたとしてもほとんどお金にならないケースも存在します。

築年数が26年以上の建物の場合は、基本的には建物に対する価値はほぼなく、土地のみの料金で取引されることが多いと言われています。

そのため、リフォームすることを前提で買う購入者も多いようです。

一方で、比較的新しい建物の場合はできるだけ高値で売りたいと考えるため、例え見た目がボロボロになっていたとしてもそれなりの値段で売りだされることが多いのです。

そうなった場合、買い手からすると汚いのに高い物件ということになってしまうため、なかなか買い手が現れないことになってしまいます。

リフォームにも様々な種類がありますが、例えば外壁塗装をして外からの見た目をきれいにするだけだったり、水回りが特に汚れているので新しいものに取り換えるのみといった簡易なものも存在します。

ちょっとしたリフォームや修繕であれば多額の費用が必要というわけでもないため、購入者の立場に立ってみて、気になる部分があるのであれば、その部分だけ手を加えてみるのもおすすめです。

リフォームするデメリット

売値が安くてもいいからボロボロの建物をそのまま売りに出す方もいる一方で、少しでも高く売るために、きれいにしてから売却しようと考える方も多いです。

どちらが正しいとは一概には言えませんが、空き家の売却前にリフォームするデメリットも紹介しておきましょう。

お金がかかる

当たり前のことですが、まずはお金の問題です。

リフォームの規模にもよりますが、建物のあちこちに手を加えるのであれば大金が必要になってきます。

一部屋だけのリフォームであれば数百万円で済むかもしれませんが、家全体をリフォームするとなると1000万円以上必要なことも少なくありません。

例えば1000万円で売ろうと思っていた家に1000万円のリフォーム代を加えた場合、2000万円以上で売れなければそのリフォームは無意味なものになってしまいます。

実際にリフォーム代が売却価格よりも高くついたという例もあるため、事前にしっかりとお金の計算をする必要があります。

自分でリフォームしたい人も多い

購入者の中には、安い家を購入して自分なりにリフォームしたいという人も多いです。

売り出す前にリフォームしたとしても、それが購入者の趣味嗜好にマッチしていないことのほうが多いでしょう。

かといって、すでにリフォームされて綺麗な部分に、新たに自分なりのリフォームをしようとする方もいないです。

つまり、売却前のリフォームで、一部分の購買層を取りこぼしてしまうリスクもあるということです。

見た目があまりにも悲惨で、見栄えをよくするために少し手を加える程度であればよいかもしれませんが、完全にリフォームしてしまうのも考え物です。

空き家を売却するまでの流れをつかもう

いきなり空き家を処分すると言っても、どのようにすればいいのかわからないからとりあえず放置しいているという方も多いようです。

まずは空き家を売却するまでの大体の流れをつかみましょう。

空き家売却までの大まかな流れ

  1. 空き家の相場を確認する
  2. 売りたい地域の不動産会社を探す
  3. 複数の不動産会社に査定をしてもらう
  4. 利用する不動産会社を決め正式に契約を結ぶ
  5. 不動産会社と協力して空き家を売りに出す
  6. 購入希望者の対応と料金などの交渉をする
  7. 購入希望者と売買契約を結ぶ
  8. 鍵の引き渡し

簡単な流れはこのような感じになります。

不動産の売買と聞くとかなり複雑な印象をお持ちになる方もいらっしゃいますが、実際には不動産会社がしっかりとサポートしてくれるので安心です。

空き家売却で家主がすべきこと

不動産会社が空き家の売買をサポートしてくれるのは間違いないのですが、売却までに家主がやらなければならない重要なこともたくさんあります。

そして家主の最大のタスクが、良い不動産会社を見つけることといえるでしょう。

また、不動産を選ぶ前に、その空き家が大体いくらくらいの価値を持っているのかを自分なりに算出してみるのも重要です。

不動産会社選びは特に重要ですので、次で詳しく説明させていただきます。

空き家の売却なら不動産会社を活用しよう

良い不動産会社と出会うことができれば、空き家をスムーズに売却することも可能です。

しかし、その逆になってしまう可能性もあるため、どのようにすれば良い不動産会社に出会えるかというポイントを紹介させていただきます。

不動産会社選びの重要なポイント

良い不動産会社を利用するためには、できるだけたくさんの会社や担当者と話をすることが大切になってきます。

もちろん、結果的に最初に電話をした会社が一番良かったとなるケースもありますが、たくさんの会社を比較することで、より良い会社を見つけられる可能性が高まるからです。

不動産会社には空き家の売却目的で問い合わせをするため、通常はそれぞれの会社に査定額を出してもらうことになります。

その査定額が高いところが最も良いと勘違いされる方も多いですが、「査定額=売却額」ということにはなりません

査定額はあくまで査定された金額であり、その金額で必ず売れる、ということではないのです。

それでは、良い不動産会社を見つけるにはどの部分を見ればよいのでしょうか。

良い不動産会社の見分け方

売却のために不動産会社を利用するということなど滅多にないため「何を基準にして選べばよいのかわからない」という方も多いようです。

そういった方は、以下のことを考慮して不動産会社を探してみるのもお勧めです。

売却に関する知識量と情報量

空き家をスムーズに売却するためには、やはり売るための知識や情報を豊富に持っている方が有利です。

不動産会社の中でも、売却の実績が多くその地域の売買に強い会社を見つけるようにしましょう。

いくら名が通っていても、賃貸を専門にやっている会社では売買に関する情報があるとは言い切れません。

また、こちらが疑問に思っていることに対して納得いく反応を示してくれる知識も重要になってきます。

誠実に対応してくれる

顧客対応の常識ですが、時間厳守、約束を守るなどの基本的なことができない担当者は信用できませんし、こちらも安心して売却を任せられません。

逆にこちらの要求に対して素早く行動してくれたり、こちらの質問に対して複数の提案をしてくれるような担当者であれば、安心できるのではないでしょうか。

中には、売り手の意見を無視して自分の考えを貫こうとする担当者もいますし、売れない理由を社会情勢や市場のせいにする会社もあります。

空き家を気持ちよく売却するためにも、何事にも一生懸命になってくれる担当者を見つけましょう。

売ると決めたら早めに売ったほうがお得

中には売却も活用もせず、ただ空き家を遊ばせている所有者もいますが、使わないのであれば空き家は早く売ったほうが確実にお得です。

空き家を持つだけでもお金がかかる

その理由の1つが、空き家は持っているだけでも支払わなければならないお金が発生するからです。

例え誰も住んでいない空き家であったとしても、その建物の持ち主は固定資産税を払い続けなければなりません。

空き家の固定資産税に関してはこちらの記事「空き家の固定資産税を増やさないための方法とすぐにできる4つの対策」を参考にしてみてください。

売却しない限り税金だけ支払うことになるため、完全にお金の無駄遣いになってしまいます。

また、定期的に掃除したり、時にはメンテナンスをしたりといった管理費もかかってきます。

その空き家が遠くにある場合は現地に行くまでの交通費もかかってくるため、まさに活用しない空き家は金食い虫といえるでしょう。

放置しておけばよいと考える方もいらっしゃいますが、放置は周辺の住民に迷惑をかけますし、空き巣や放火などの犯罪に巻き込まれる可能性も高くなります。

空き家問題は非常に危険!怖い原因と今すぐ取り組むべき解決策!

最終的には放置のツケが回ってきますので、空き家を所有する限り管理は欠かせないものなのです。

空き家は年々売りにくくなる

空き家を早く売るべきもう1つの理由として、空き家はどんどんと売れなくなってくるという点が挙げられます。

不動産の売買の要素にはその建物の築年数も密接に関係しており、建てられてからの年数が経過すればするほど売却価格は安くなり、売れ残る可能性も高くなります。

それと同時に、今後も空き家が多くなると言われているため、供給が増ることで更に売れにくくなってしまいます。

とりあえず落ち着いたら対処しようという考えていると、何年も経ってしまったということになりかねないため、今すぐにでも行動に移したほうが良いのです。

空き家は活用するのもアリ

中には、「今は空き家だが思い出が詰まっているからできれば売りたくない」と考えて放置している方もいらっしゃいます。

どうしても売りたくないのであれば、活用を考えるべきです。

これまで挙げたように、空き家を放置していては無駄にお金がかかりますし、無人の建物は劣化が激しくなるからです。

また、建物がボロボロになっている場合は解体した後の土地を活用するのもおすすめです。

賃貸として家賃収入を得る

建物をそのまま残すのであれば、丸々貸し出してみるのも方法の1つです。

家族用の物件として貸すのもよいですし、大きな不動産の場合は社員寮やシェアハウスとしても利用することができます。

田舎の物件の場合は借り手がなかなかつかずどうしても賃料が安くなってしまいますが、それでも放置しておくよりはマシな選択といえるでしょう。

わずかであっても賃料を得ることができますし、管理のための時間やお金が不要になりますので、家をそのまま残したいのであれば活用すべきです。

更地にして活用する方法

建物の劣化が激しく、このままでは借り手がつかないような場合は、解体して建て直すか解体後の更地を活用することになります。

解体にもお金はかかりますが、建て直しには大金が必要なため、解体するのであればまずは更地を活用するという選択肢を取ることになる方が多いです。

最も多いのは駐車場としての活用ですが、事前にその土地で駐車場を作って需要があるのかを考える必要があります。

その他にも、コンビニをはじめとする事業用の借地として利用したり、自動販売機を置いてみたりといった使い方もできますので、その土地にあった活用を考えてみましょう。

最後に

売却をするにしても、その土地を残して何らかの方法で活用するにしても、早めに行動したほうが良いということがお分かりいただけたのではないかと思います。

今後その土地や物件を自分で利用するつもりはないという方、将来的に必要になることはないという方は、売却してしまった方が良いといえるのかもしれません。

上手に売却を進めるためには良い不動産会社との出会いが大切になってきますので、まずは様々な会社とコンタクトを取って不動産の査定をしてもらうところから始めましょう。

皆様の空き家が上手に売却、活用されることを祈っております。