リフォームを行う際には、最初に相見積もりを取るという方が多いですし、時間があるのであればたくさんの業者と直接会って話をするべきです。

それは、 相見積もりをすることによって、より安いプランを探せるというだけではなく、それぞれの業者を比較することができるからです

業者によって全く違ったタイプの担当者が見積もりに来ることもありますし、見積書の仕様も業者によって様々ですので、相見積もりをすることで色々な業者と出会うことができます。

例えば、見積書の仕様が違うと比較するのが難しいと言われることも多いですが、料金については不明点をそれぞれの業者に細かく聞くことで、最終的には項目を統一させて見比べることができるようになります。

しかし、自身がこれから使おうとしているリフォーム業者の生の雰囲気は、実際に会ってみないと感じ取ることができません。

相見積もりをすることで、リフォーム価格の比較以上に重要なことに気付くこともあるのです。

この記事では、そんな相見積もりの重要性や、業者を比較するポイントについて紹介させていただきます。

これからリフォームを行う方やリフォーム業者とのやりとりに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

相見積もりが重要である3つの理由

相見積もりは、リフォームを少しでも安くするために行うものだと思っていらっしゃる方も多いようです。

確かにそれもありますが、実は相見積もりをすることによって他にも様々なメリットが得られるのです。

代表的なメリットとして

  • 相場がわかる
  • 色んなプランを検討できる
  • 業者のスタッフと直接コンタクトが取れる

などが挙げられます。

それでは、相見積もりがなぜ重要なのかを具体的に見ていきましょう。

相場がわかる

複数の業者に見積もりをお願いした場合、その見積もり料金が全く同じになるということは珍しいです。

例えば全く同じプランをお願いしたとしても、その建材の仕入れルートの違いから原価が高い業者もあれば低い業者もあるため、それが原因でリフォーム費用が変わってくることがあります。

同様に、キッチンのリフォームの経験が豊富な業者にキッチンリフォームをお願いした場合は、キッチンリフォームの経験が少ない業者よりも見積価格が安くなる傾向にあります。

しかし、100万円程度の工事で数十万円の開きが出るということは少ないため、結果的に自宅のキッチンのリフォーム工事の相場を把握することができるのです。

そして、その相場に対してあまりにも高額な業者、逆に安すぎる業者は排除することによって、安心して工事をお願いできる業者を絞ることが可能となります。

色んなプランを検討できる

最近は相見積もりが当たり前になっているため、業者としても契約を取るために知恵を絞って様々なプランを提供してくれます。

こちらが、具体的な要望を伝えることによって、それに合うプランをいくつか用意してくれるため、相見積もりをすることでより良いプランに出会う可能性が高くなるのです。

他社にはないオリジナルプランを作ってくれる業者もあれば、独自のルートで仕入れた珍しい建材を利用してくれるような業者も存在します。

たくさんのプランを見てそれを比較検討できるため、満足するリフォームを実現するためには相見積もりは欠かせない工程と言えるでしょう。

業者のスタッフと直接コンタクトが取れる

相見積もりが重要だといえる大きなポイントの1つとして、直接その業者のスタッフと顔を合わせて話ができるという点が挙げられます。

当然見積もりにはその業者のスタッフが来ることになるため、話をすることによってスタッフのマナーや態度から業者全体の質を感じ取ることができるのです。

大規模なリフォームでない限り、そのスタッフが長時間自宅に滞在するということはないため、スタッフとの短時間の会話で業者の質を決めつけてしまうのもどうかと思う、という方もいらっしゃるかもしれません。

しかし最終的には業者を1つに絞らなければならないため、なかなか選ぶことができない場合は見積もり時のスタッフの対応から業者を決めることもできます。

見積もり結果と業者の選びの4つのポイント

相見積もりでは、それぞれの業者の価格を確認するだけではなく、その他の項目も比較対象とすることができます。

ここでは、見積もりから見る業者の選び方を見ていきましょう。

具体的には、以下の4つの点を注意して観察してみてください。

  • 価格は高すぎず低すぎないか
  • 担当者の対応はどうだったか
  • 見積書は見やすいものか
  • 説明をきちんとしてくれたか

価格は高すぎず低すぎないか

例えば他の業者の見積価格が100万円前後になっているのに、1社だけ150万円になっていたり、逆に50万円になっていたりすると、まずはその業者を疑ってみるべきです。

安い分にはいいじゃないかと思われるかもしれませんが、あまりにも安いと様々なリスクが生じる可能性があります。

高すぎる見積書の原因

他と比べてあまりにも高い場合は、以下の可能性が挙げられます。

  • グレードの高い素材を使用している
  • 業者が利益を取りすぎている
  • 見積もり方を間違えている

高い見積もりをもらってもリフォームできないという方も多いはずです。

見積もり前に、大体の予算を業者に伝えておくことで、適正なグレードの素材を選んだ見積書を作成してくれるでしょう。

安すぎる見積書の原因

続いて、安すぎる見積書の理由を見ていきましょう。

  • 素材のグレードが低すぎる
  • 手抜き工事前提で作っている
  • 追加で料金を取ろうとしている

安ければ飛びつくからとりあえず契約だけ取って、後から追加で料金をもらおうとする悪徳業者も存在します。

また、追加料金はないが手抜き工事をすることによってその費用を浮かす業者もいるため、リフォームした部分のクオリティが低くなってしまいます。

安いからと言って安易に選んでしまうのは避けるべきなのです。

料金に納得できれば問題なし

相場からかけ離れた見積書を提出する業者には、それなりの理由があるはずです。

例えば高いグレードの建材を使用した見積書だったなど、きちんとした理由があり、その料金が妥当だと判断できる場合は、その業者を利用してみるのもよいかもしれません。

しかし、他の業者と比べて怪しいと感じた場合は、その業者を使わないのも方法の1つです。

リフォームができる業者はたくさんあるため、あえて怪しいと感じるところを使う必要はないのです。

担当者の対応はどうだったか

相見積もりをする際には、それぞれの業者のスタッフが自宅に実際に足を運んで現場を見ながら見積もりを行うことになります。

大きな業者の場合は営業スタッフだったり見積もりの担当スタッフが、小規模な業者の場合は社長自らその見積もりに立ち会うこともあります。

誰が来たとしてもその業者の人間であることは間違いないため、見積もり時に顔を合わせた際の、そのスタッフの対応を観察してみましょう

色々な業者を見てみると、きちんとした対応をするところもあれば雑な仕事をするところもあるということがわかるはずです。

当たり前のことですが、やはり担当者の対応がきちんとしている方が、契約後も真摯に相談に乗ってもらえたりする可能性が高いため、しっかりと観察して良さそうな担当者を見つけましょう。

見積書は見やすいものか

見積書はリフォーム業者によって仕様が異なるため、人によって見やすいと感じる見積書もあれば、反対に見てもよくわからないというような見積書も存在します。

後述しますが、パッと見て良くわからない見積書が悪い見積書というわけではありません

もちろん、利用者にわかりやすい見積書の方が丁寧で安心できるイメージがありますが、逆にわかりやすい見積書を出してきたからと言ってよい業者と言い切ることはできません。

見やすいに越したことはありませんが、見積書の見やすさだけで利用する業者を判断してしまうのは少々危険だといえるでしょう。

説明をきちんとしてくれたか

業者を比較する上で重要なポイントの1つが、見積書についてきちんと説明してくれたかどうかという点になります。

見積書を見てすべて理解できるようなお客さんは少ないはずですので、その見積書を理解してもらうためには担当者からの丁寧な説明が必要になってきます。

それをおろそかにするような業者は顧客のことを考えていないと言えますし、突っ込まれて質問されると回答に困るような項目があると考えることもできます。

とはいえ、当然説明してくれる業者がほとんどですので、その時に確認すべき項目をまとめてみました。

  • 提案力があるか
  • できることとできないことの区別をつけてくれるか
  • デメリットも挙げているか
  • 専門用語ばかりを使っていないか
  • 質問に対して明確に回答をもらえたか

もちろん純粋にわからない点を業者に聞くというのも重要ですが、質問をしながらこのような点も確認できれば業者を選ぶ際に役立ちます。

良い見積書の3つの判断基準

リフォームをする際の見積書には、業者によって見やすいと感じることもあれば、反対に見にくいと感じることもあります。

一体、どのような見積書を出してくれる業者が良いのでしょうか。

良い見積書は詳細まで書かれている

信頼できそうな見積書の例として

  • リフォームするプランの商品名
  • 商品のサイズ
  • 使用されている建材

などの細かな情報が載っていることが多いです。

また、リフォームをするにあたってその場所の改修などが必要な場合は補修費という欄を別に設けていたりすることもあります。

建材の量や金額、複数の場所を一気にリフォームしてもらう場合は、そのリフォーム箇所ごとに項目がしっかりと分かれているのが良い見積書と言えます。

見積書の目的は顧客に工事をした場合の金額を伝えるというものですので

どのような工事をしたらどれくらいの費用がかかりトータルでこれくらいになる

というようなことをきちんと説明できている見積書だとベストです。

悪い見積書は工事の内容がイメージできない

極端な例かもしれませんが、トータルのリフォーム代金100万円、と書かれている紙であっても、その業者が見積書と言えばそれは見積書になり得ます。

もちろん業者の印鑑や作成日の記載などの、見積書としての役割を果たしているものに限りますが、仮に100万円と書かれていただけでは具体的にどのような工事をどうやって行うのかが全くわかりません。

さすがに金額だけを記載した見積書を作る業者はいないでしょうが、それに近い見積書を提示してくる業者がいるのも事実です。

例えば、

キッチンリフォーム 一式 80万円
風呂場リフォーム 一式 50万円
トイレリフォーム 一式 50万円
諸経費 30万円
トータル  – 210万円

このようにリフォーム箇所と金額だけが記載してあり、本来ならば細かく記載すべき詳細が全くかかれていないような見積書も存在します

このような場合は、キッチンリフォームの「一式」には具体的にどんな費用が含まれていて80万円という数字がたたき出されているのか、ということを納得するまで質問するべきです。

見やすい見積書が良い見積書とは限らない

上記の見積書は、考え方によっては非常にシンプルで見やすい見積書とも言えるのではないでしょうか。

それぞれのリフォーム箇所ごとの費用がかかれており、トータルで210万円かかるということが明確になっているため、パッと見て金額がわかるという点では見やすい見積書になります。

しかし、当然詳細が知りたいという方がほとんどですので

見やすい見積書=良い見積書

ということにはなりません。

様々な事情が絡まり合って見積もりの料金が出るため、細かい内訳を全て記載していると非常に長い見積書になり、逆に見にくくなってしまう可能性もあります。

そのため、上記のような一式見積書は、工事費用を気軽に伝えるための手段として昔から利用されていました。

業者の中には、悪気があってこのような見積書を作成していないところも多いため、こんな見積書を提出してきたなんてあり得ない、と決めつけるのではなく、詳細を聞いてみるようにしましょう。

見積書から判断するのではなく、その時の業者の対応で判断することをおすすめいたします。

相見積もりはリフォーム成功の重要なポイント

リフォームの工事を成功させるためには、複数の業者から見積もりをもらう相見積もりが大変重要です。

相見積もりは、より安いリフォーム費用を提示する業者を見つけるためだと考える方も多いですが、相場を知るためや業者の質を比較するためなど、その他にも様々な役割を果たします。

逆に言えば、 価格だけで業者を選んでしまうと、雑に工事をする悪徳業者を選択してしまう可能性があるため、リフォーム代金は相場程度かそれよりも少し安いあたりで落ち着かせることをおすすめいたします

複数の業者から提示される見積書は仕様がバラバラですし、見やすい見積書もあれば見にくいものも存在します。

その見積書の見やすさだけで業者を選んでしまうのではなく、見積書に対する説明や、こちらの質問に対する回答方法などを見ることで、本当に良い業者かどうかの判断材料とすることができます。

実にたくさんのリフォーム業者があるため、時間があるのであれば多くの業者に見積もりをお願いし、信頼できる業者を見つけることをおすすめいたします。