せっかくマンションを売りに出しているのに、全然売れる気配がないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
立地条件などによって売りにくい不動産があるのも事実ですが、ずっと売りに出しているマンションに購入希望者さえ現れないというのは、売り方が間違っている可能性もあります。
早くマンションを売りたいと考えていらっしゃるのであれば、まずはそのマンションが売れない原因を突き止めるべきです。
その原因に合った対策を取ることによって、案外すぐに売れてしまう可能性もあります。
また、全く売れないのであれば他の方法でその不動産を売却するか、もしくは活用してみるというのも方法の1つです。
この記事では、売れないマンションを売るための方法や、賃貸にして活用する方法を紹介させていただきます。
マンションが売れない理由と売れるマンションに変える対策
売却活動を始めてから実際にマンションが売れるまでには、3ヵ月～6か月ほどかかるのが一般的です。
もちろん中にはすぐに売れてしまうような物件も存在しますが、反対に売却活動がうまくできない場合は1年経っても売れないようなケースがあります。
マンションが売れない代表的な原因として
- マンションの価格が高すぎる
- 不動産会社の売却活動が下手
- その不動産に魅力がない
などが挙げられます。
まずは、これらの原因の詳細とそれぞれの解決策を見ていきましょう。
マンションの価格が高すぎる
マンションが売れない最大の原因として、マンションの価格が相場に対して高すぎるというものが考えられます。
相場が2000万円程度のマンションなのにもかかわらず、3000万円以上で売り出していては買い手がつく可能性も少ないです。
例えば投資用の物件として購入した方の中には、購入価格よりも売却価格が高くなるはずだと考える方もいます。
しかし、周辺の環境が大きく変わらなければ相場も大きく上がるということはありません。
それどころか、年数が経過するごとにどんどんと老朽化していくため、建物自体の価値は下がっていく一方です。
それでは、どのような対策を取ることで売れるマンションに変えることができるのでしょうか。
具体的には、
- 相場を再確認する
- 売り出し価格を下げる
といった対策が考えられます。
対策①自分で相場を確認してみる
売却しようと思っている物件がマンションなのであれば、過去に同じマンションの他の部屋がが売りに出されていないかチェックしてみましょう。
他の部屋の売却価格に比べて売り出し価格が高い場合は、当然売れるはずがありません。
もちろん、たとえ間取りが同じであったとしても階数の高い方が高額で売れますし、角部屋などの付加価値がついていればさらに高くなります。
しかし一般的な部屋の相場が大きく変わるということはありませんので、似たような条件のマンションを購入するのであれば、当然購入者も安い方を選ぶことになります。
例えば進行形で同じマンションの他の部屋がご自身の売り出し価格よりも安く売りだされている場合は、先に売れるのはそちらということになります。
他の物件を調べることによって、売却しようとしている不動産の実際の売却相場を知ることができるため、まずは似たような条件の物件を確認することをおすすめいたします。
対策②思い切って売り出し価格を下げる
誰もができるだけ高くマンションを売りたいと思っていますが、相場とあっていないのであればいつまでたっても売れることはありません。
時間がかかってもいいから高く売りたいというのであれば、現在の料金を変えずにそのまま購入希望者が現れるのを待つというのも方法の1つです。
しかし、早く売りたいと考えていらっしゃるのであれば、売り出し価格を下げることも検討するべきです。
実際に、売り出し価格が原因で購入希望者が現れないというケースは少なくありませんので、逆に言えば価格を下げるだけですぐに売れてしまうこともあるのです。
売却価格は希望よりも安くなってしまうかもしれませんが、何年もその不動産を所有して固定資産税を支払い続けたりといった維持費を考えると、早めに手放せる方法を選択したほうが良いのかもしれません。
不動産会社の売却活動の問題
売り出し価格が相場通りで問題ないはずなのに、不動産を購入したいという人が現れないというのは、媒介契約を結んでいる不動産会社の販売活動に問題があるのかもしれません。
例えば高額な不動産などが売れた場合は、不動産会社に入ってくる仲介手数料も高額になるため、意欲的にそういった物件の売却活動を行う一方で、安い不動産や頑張っても効果が薄そうな不動産は後回しにするようなところも存在します。
この辺りはある程度は仕方のないところもあるかもしれませんが、そうしている間にも不動産はどんどんと劣化していくため、価値が徐々に下がっていきます。
不動産会社に問題があると感じた場合は、
- 売却活動のデータを求める
- 不動産会社を変える
などをしてみましょう。
対策①具体的な売却活動の結果を確認
不動産会社がきちんと売却活動をしていないと思ったら、具体的に
- どのように売却活動を行っているのか？
- どういう結果になっているのか？
というデータをもらうことをおすすめいたします。
例えば
- どこにどのような広告を利用しているのか？
- 問い合わせは何件あるのか？
- なぜ成約に至らなかったのか？
- 成約するためにどんなことをすべきなのか？
ということを聞いてみましょう。
その時の不動産会社のアドバイスによって改善されると考えられるのであれば、もう少しそこで売却活動を続けてみるのもよいでしょう。
簡単に言えば、契約を結んでいる不動産会社にプレッシャーを与えるということです。
しかしその時の不動産会社の対応次第では、後述する対策②に移ります。
対策②他の不動産会社を利用する
不動産会社との契約が専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合は、その有効期限が3ヵ月となっています。
そのため3ヵ月で契約を解除することができますし、契約内容によっては3か月経っていなかったとしても早めに解除をすることも可能です。
実際に、全く売れなかった物件が不動産会社を変えたとたんにすぐに売れてしまうといったケースも存在するため、その不動産会社との相性なども関係してくるのかもしれません。
また、不動産会社に任せっきりにするのではなく、ご自身でも購入希望者を探してみるというのも方法の1つです。
媒介契約の種類によってできないものもあるため、媒介契約については下記を参照ください。
⇒家を売却する際に必要な媒介契約の種類とそれぞれの特徴を徹底比較！
その不動産に魅力がない
マンションがなかなか売れない原因として、その不動産自体に魅力が感じられないというものも挙げられます。
人によって不動産に求めるポイントは異なりますので一概にいうことはできませんが、やはり綺麗な不動産ほど需要が高いというのは変わりません。
例えば立地などはどうしようもありませんが、そのマンションの室内に何らかの対策を取ることで、不動産に魅力が出てきて購入希望者が現れる可能性もあります。
具体的には、
- クリーニングして写真を掲載し直す
- リフォームする
が挙げられます。
対策①クリーニングして印象をよくする
不動産会社を介して売却活動を行う際には、ウェブサイトなどに掲載するための写真を撮ることも多いですが、その写真に魅力がない場合は購入希望者も現れにくいです。
築年数による老朽化は避けられないポイントかもしれませんが、その不動産をできるだけきれいに見せることができれば、少なくともウェブサイトなどで写真を確認する分には魅力的に写る可能性もあります。
例えば掲載されている写真がありきたりで写りが悪い場合は、もう一度マンションをきれいにクリーニングし、掲載用の写真を取りなおしてもらいましょう。
もちろんクリーニングにはお金がかかりますが、綺麗にすることで希望通りの額で売却することができるのであれば安いものです。
クリーニングといっても数十万もかかるわけではありませんので。
また、長期的に売れていない不動産は汚れもたまってきている可能性があるため、そういった意味でもクリーニングはおすすめです。
対策②リフォームで価値を高める
リフォームをすることによって売却予定の不動産の価値は確実に高まります。
しかし、リフォームには多額の費用がかかり、当然その分を売り出し価格に上乗せすることになるため、リフォームによって確実に購入希望者が現れると言い切ることはできません。
また、購入者の家庭の状態や家族構成によって、そのリフォームが合う・合わないということも考えると、リフォームをすれば売れる可能性が高まるとは言えないのです。
ただ、例えばトイレの便器や流し台を最新のものにするなどの、万人に需要のあるようなリフォームであればある程度は購入希望者の増加が見込めるかもしれません。
また、小規模なものであれば多額の費用がかかるということもないため、ちょっとしたリフォームをこまめにやってみるというのも方法の1つです。
マンションの買取も視野に入れる
全く売れないマンションを、すぐに売ってしまう方法があります。
それは、不動産会社に「仲介」を頼むのではなく、直接買い取ってもらう「買取」という方法です。
早く売れるというのは買取の大きなメリットですが、その分デメリットもあるため状況を考えてどうするかを決めていきましょう。
買取のメリットとして
- 即売却できる
- 他人に知られずに売却できる
デメリットとして、
- 相場より安くなる
が挙げられます。
メリット①確実に買い取ってもらうことが可能
最大のメリットは、確実に不動産会社に物件を買い取ってもらえるということです。
普通の方法でマンションを売却する場合は、早く売れたとしても、購入希望者と何度も話したり価格を交渉したりといった面倒なことをしなければなりません。
また、全く売れないというケースも存在します。
しかし、「買取」を選べば確実に売れるため、さっさと売ってしまいたいという方にはおすすめの方法です。
メリット②誰にも知られず売却可能
買取のもう1つのメリットとして、他人に知られることなくこっそりと不動産を売却できるという点が挙げられます。
通常はマンションを売るために、その情報を広告を出したりウェブサイトに掲載したりする必要があるため、不特定多数の方がその情報を目にすることになります。
場合によってはご近所の方にそれがわかってしまったり、友人や知人がそのサイトを見て知られてしまうという可能性もあります。
そんなことは気にしないという方もいらっしゃいますが、できれば知られずに売却してしまいたいという方は、一般的な仲介ではなく買取を利用して不動産を売却してしまいましょう。
デメリット①価格が安くなる
買取の唯一のデメリットとして挙げられるのは、通常に売却することを考えると手元に入ってくるお金が少なくなってしまうという点です。
買い取ってもらう不動産会社や状況によって変わってきますが、一般的には仲介で不動産を売却する7割～8割程度の価格にしかなりません。
例えば査定額が3000万円の物件の場合は、2000万円強の価格がついてしまう可能性もあるのです。
これは物件の価格が高くなればなるほど売り手が損をすることになるため、普通は買取よりも売却を選ぶ方の方が多いです。
ただし、ずっと売却活動を続けてきたのに全く売れる気配がない、この日までに売らなければならない、というような状況の方であれば、すぐに買い取ってくれるというメリットがある買取を利用するのもよいでしょう。
売れない場合は賃貸も可能
「売ろうと思ってもなかなか売れないが、買取で相場よりも安い価格で売ってしまうのも嫌だ」
という方には賃貸として活用する方法もおすすめです。
家賃収入を得られるため、全く売れない不動産を遊ばせておくことを考えるとメリットが大きいです。
ただ、その分デメリットもあるため、それぞれを考慮してどうするかを決めることになります。
賃貸にするメリット
マンションを売却するということは不動産を手放すということになるため、逆に売却せずに賃貸にすることで、不動産を保有し続けることが可能です。
また、分譲マンションは一般的な賃貸用の物件と比べると設備などがしっかりとしているため、一般的な物件よりも高く貸し出すことができます。
うまく借り手が現れれば毎月不動産収入が得られるため、長い目で見ると安く売ってしまうよりもお得になるケースもあります。
賃貸にするデメリット
貸し出したマンションを数十年も使い続けてくれる方が現れればラッキーです。
しかし、通常は数年おきに入居者が変わるため、そのたびにクリーニング業者に部屋をきれいにしてもらったり、壁紙を張り替えたりといった清掃費、修繕費が必要になってきます。
また、入居希望者が現れなければ当然不動産収入を得られませんし、仮に入居者が現れたとしても、性格的に合わないような人物の場合は苦労することもあります。
家賃をきちんと払ってくれないというトラブルも考えられますし、隣や上の階がうるさいから何とかしてほしいといった苦情を言ってくる可能性もあるため、一概に賃貸にメリットが大きいとは言えないのです。
| 賃貸にするメリット | 賃貸にするデメリット |
| ・不動産を保有し続けられる ・家賃収入が見込める ・分譲マンションは家賃が高い |
・定期的に出費がある ・無収入の期間も発生する ・トラブルが発生する可能性もある |
まとめ：売れない不動産には原因が必ずある
売却活動のスタイルは人によって異なるため、時間がかかっても高値で売りたいという方もいらっしゃいます。
しかし、やはり他のマンションが売れていく中でご自身が保有する不動産だけが売れ残ってしまうと焦る方が多いです。
売れる不動産があるということは、 売れない不動産には間違いなく何らかの売れない原因があるということ。
早く不動産を売りたいのであれば、売れない原因をはっきりと突き止めてそこを改善することで、あっという間に売れてしまう可能性もあります。
もしくは、売値は安くなってしまいますが、不動産会社に買取を依頼することによって確実に売却することができるため、すぐに売りたいという方にはおすすめの方法です。
また、どうしても売らなければならないわけでもないという方は、長期的に一定の収入が見込める賃貸として活用してみるというのもよいでしょう。
