新築住宅の計画をしているあなた、外壁の選び方で迷っていませんか?

中でも外壁のデザインは、最初に目につく場所。そしてお家のセンスが分かる部分でもあります。

しかし、初めて住宅を建てる方にとって

  • 外壁の役割ってそもそも何?
  • どんな外壁の種類があるの?
  • 新築住宅におすすめの外壁は?

など、わからないことだらけですよね。

そこで、この記事では1級建築士を持っている私が外壁の基本的なことから、失敗しない選び方などを徹底解説していきます

住宅の外壁選びに悩んでいる方は是非参考にしてみてください。

そもそも外壁の役割って何?

外壁には様々な種類がありますが、そもそも外壁の役割って知っていますでしょうか?

基本的に外壁はデザインで選んでいる。という方が多いかもしれません。

しかし、外壁にはデザインも含めて以下のような大きな役割があります。

  • 住宅の防水性を高める
  • 家の個性を表すデザイン
  • 防風、防音や断熱など住まいの快適さ

住宅の防水性を高める

木造の一戸建て住宅の外壁には防水シートが施されています。

しかし、防水シートのみでは家の中に全く雨水が入ってこないというわけではありません

そこで外壁材にも防水の役割を持つことで、より住宅の防水性を高めているわけです。

例えば、外壁材の1つであるサイディングは塗膜防水を行って防止性を高めてる効果が高い外壁材です。

MEMO

ただし、この塗膜防水は経年劣化や紫外線の影響で防水性が落ちてきます。

そのためある程度の年数が経ったら、塗膜防水をやり直す必要があるので注意しましょう。

家の個性を表すデザイン

外壁材の見た目に対する役割、それは見ただけで「あの家だ」と分かる目印になることです。

その家の個性を表す役割を持つのがデザインだと言えるでしょう。

それだけ外壁のデザインというのはインパクトがあります。

防風、防音や断熱など住まいの快適さ

外壁は風からもお家を守ってくれる役割を持ちます。

また、外からの騒音を遮り、生活音を外に漏れにくくする防音効果も。

道路沿いに家を建てる場合には遮音性能にも注目して、外装材を選ぶと良いですよ。

また、断熱性能のあるサイディング材(ガルバニウム鋼板のサイディング)を採用すると、家の断熱性能を高める役割も果たします

家の断熱性能が高まると、光熱費の削減をはじめ年中室内の温度が一定に保たれるので快適に生活することが可能です。

MEMO

外壁材を選ぶときには、ついついデザイン重視になってしまいがちですが、ほかにも機能があることを覚えておくと外壁材選びにも失敗することが少なくなります。

知っておくべき7種類の外壁材とメリット・デメリット!相場も合わせて紹介

次に外壁材の種類ですが、実はたくさんあります。

まず簡単に特に一戸建て住宅によく使われる外壁材の種類と相場を表でまとめてみました。

外壁材 タイプ 単価(㎡)
タイル貼 タイル 5,000円/㎡~
ガルバリウム貼 メッキ鋼板 4,000円/㎡~
金属系サイディング貼 サイディング 3,000円/㎡~
窯業系サイディング貼 サイディング 4,500円/㎡~
木質系サイディング貼 サイディング 3,000円/㎡~
リシン モルタル 1,800円/㎡~
ジョリパッド塗 モルタル 3,000円/㎡~

では、それぞれ解説していきますね!

高級感のあるタイル貼の特徴

出典:LIXIL

タイルとはやきもので出来た薄板のことを指します。

多くのマンションやビル物系の建物で外壁などに使われています。

ここでは一番安い45二丁掛タイルで施工した場合の金額を提示しています。

タイル貼りを採用するメリットとデメリットは以下の通りです。

タイル貼のメリット

  • 耐久性が高い
  • 表面に汚れが付きにくい
  • メンテナンスがかかりにくい
  • 見た目にも高級感がある

タイル貼のデメリット

  • 材料費が高い。
  • 下地を整えて貼るので施工に時間がかかり工期が延びる

タイル貼がおすすめな人と相場

メンテナンスがかかりにくく、見た目にも高級感があります。

金額に余裕があれば、一番おすすめします。

MEMO

相場:5000/㎡~、40坪の住宅で約85万円~

スタイリッシュなガルバリウム貼の特徴

出典:LIXIL

ガルバリウムとは、金属の表面にメッキ塗装した金属系の外壁材です。

金属面のまま使用していると雨で錆びてしまうため、表面にメッキ塗装を施して保護しています。

ガルバリウム貼のメリット

  • 見た目がスタイリッシュ
  • 黒などの濃い色を使うとモダンな雰囲気になる
  • 耐久性が高いのでメンテナンスに手間がかからない

ガルバリウム貼のデメリット

  • 外壁材に傷がつくと錆びの原因となる
  • 車や自転車をぶつけるとへこむことがある
  • リブを横方向に貼ると汚れがたまりやすく、外壁汚れが目立ちやすい

ガルバリウム貼がおすすめな人と相場

傷がつくと一気に劣化が進むデメリットはあります。

しかし、傷さえ気を付ければメンテナンスがかかりづらく、スタイリッシュな見た目を目指す方におすすめです

MEMO

相場:4000円/㎡~、40坪の住宅で約70万円~

金属系サイディング貼の特徴

出典:LIXIL

金属系サイディングとは、金属でできているサイディングです。

金属でできているため、耐熱性や耐久性に優れています。

金属系サイディング貼のメリット

  • 耐久性が高い
  • 耐熱性が高い
  • 軽量なので外壁に負担がかかりにくい

金属系サイディング貼のデメリット

  • 吸熱性が高いので色あせしやすい
  • 傷がつくとさびやすい

金属系サイディング貼がおすすめな人と相場

スタイリッシュな雰囲気のし上がりになるので、デザイン性が高い外観におすすめします。

MEMO

相場:3000円~/㎡、40坪の住宅で約51万円~

窯業系サイディング貼の特徴

出典:LIXIL

サイディングの70%をしめる最もよく使われているサイディングです。

窯業系サイディングとは、セメントと繊維でできているサイディングです。

窯業系サイディング貼のメリット

  • 耐震性が高い
  • 防火性に優れている
  • デザインが豊富

窯業系サイディング貼のデメリット

  • 伸び縮みするのでひび割れしやすい
  • 耐候性が低い
  • メンテナンス頻度が高くなる

窯業系サイディング貼がおすすめな人と相場

一般的によく使われている外壁材で、デザインも豊富です。

ただし、メンテナンス頻度がかかりやすいことは念頭に置いて選びましょう。

MEMO

相場:4500円~/㎡、40坪の住宅で約76万円~

木質系サイディング貼の特徴

木材を使用しているので、あたたかみのある雰囲気が特徴のサイディングです。

木質系サイディング貼のメリット

  • ナチュラルなデザイン
  • あたたかみがある

木質系サイディング貼のデメリット

  • 防火指定地域では使えないことがある
  • 木を使っているため、耐久性が低い
  • メンテナンス頻度が高くなる

木質系サイディング貼がおすすめな人と相場

ナチュラルなデザインの家や自然派の方におすすめします。

メンテナンス頻度が高いので、気を付けて選びましょう。

MEMO

相場:3000円~/㎡、40坪の住宅で約51万円~

シンプルなリシン(モルタル)の特徴

リシンとはモルタルに細かく砕いた大理石を混ぜた塗料です。

外壁に塗ってからモルタルが硬化するまえに引っ掻いてパターンをつけます。

荒い仕上がりが特徴です。

リシンのメリット

  • 塗装に比べて施工費用が安い
  • 通気性が高く、外壁内の湿気を排出できる

リシンのデメリット

  • 表面に凹凸が、汚れがたまりやすい
  • 耐久性が低く、ひび割れが入りやすい
  • アクリル樹脂が用いられることが多いため、耐用年数も7~8年程度しかもたない

リシンのがおすすめな人と相場

20~30年前の住宅によく使われていた材料なので、懐かしい雰囲気の外観になります。

劣化が早いのでメンテナンスが早々にかかることは覚悟しましょう。

外壁にあまり予算がない方におすすめします。

MEMO

相場:1800円~/㎡、40坪の住宅で約30万円~

色やパターンが楽しめるジョリパッド塗(3000円~/㎡、40坪の住宅で約51万円~)

ジョリパッドとは砂と塗料を混合した砂壁のような質感をもつ塗料です。

モルタルの上から塗装します。

ジョリパッド塗のメリット

  • 下地の変化に追従出来るので耐久性が高い
  • 色もパターンも豊富なのでデザインがしやすい
  • 通気性が高い

ジョリパッド塗のデメリット

  • 凹凸パターンをつけた場合、パターンによってはホコリがたまりやすくなる
  • 色あせしやすい

ジョリパッド塗がおすすめな人と相場

あたたかみのある外観や洋風の外観を目指す方におすすめします。

道路沿いに建てる場合には凹凸の少ないパターンを選びましょう。

MEMO

相場:3000円~/㎡、40坪の住宅で約51万円~

外壁材を選ぶ際の3つのポイント

主な外壁の種類が分かっても、実際にはどんなふうに選んでいいかわからないですよね。

そこで、ここからは外壁材選びでおさえたいポイントを3つ紹介します。

そのポイントがこちらです。

  • 周辺環境を見て選ぶ
  • 外壁材の機能を重視する
  • 色合いは周囲を見ながら決める

周辺環境を見て選ぶ

まずは、これから建てる家の周辺環境を確認しましょう。

例えば、

  • 大きな道路沿い
  • 周囲が畑
  • 学校の近く

などは、排気ガスや砂、ホコリなどが舞いやすく外壁に汚れが付着してたまりやすくなります。

窓枠下には雨が降って、たまった汚れ(雨だれ)が流れ落ちてくるので外壁が汚れます。

手が届く範囲であれば外壁の清掃も容易ですが、2階・3階となるとなかなか清掃もできません。

ですので、まずは周辺環境を確認して、

  • 汚れが付きにくい加工がされているものを選ぶ
  • 白っぽい色の外壁を避ける
  • 横模様のパターンは選ばない

など工夫をして選んでください。

特にこのような場所におすすめする外壁材の色はグレーやベージュです。

砂やホコリなどと色の質が似ているグレーやベージュを外壁色にすれば汚れも目立ちにくくなります。

外壁材の機能を重視する

  • 傷の付きにくい材料
  • 耐火性のある材料
  • 断熱性能の高い材料

など外壁材にはさまざまな機能がありますが、メンテナンスがあまりかからないなど、外壁の機能性を重視するのもおすすめです。

例えば、メンテナンスがあまりかからない機能をもつ外壁材。それはタイルです。

タイルは耐久性も高く、色あせも少ない材料です。

ただし、永遠にメンテナンスが不要かといえばそうではありません。

タイルを貼り合わせるシーリングが劣化するため、15年に一度ぐらいはメンテナンスが必要となります。

またいくら手が掛かりにくい材料といえ、タイルは高価です。ですからタイル貼はお家づくりに予算がある方が採用できる材料といえます。

なので、タイル貼にする予算はないけれど外壁のメンテナンスにあまり手間をかけたくない方におすすなのが、サイディングに耐候性の高い塗料を塗り劣化を遅らせる方法です。

これも外壁材の単価が上がりますが将来のメンテナンスを考えると採用する価値があります。

色合いは周囲を見ながら決める

外壁の色合いを選ぶときは周囲を見ながら選ぶことが大切です。

隣の色と全く一緒の色となってしまうことはまずないでしょうが、3件隣のお家となんとなく色使いが似てしまうのは嫌ですよね。

計画地の近所をぐるりと一周してみて周囲の色合いを確認してみましょう

ただし、地域の条例によってはあまりに濃すぎる色や鮮やかすぎる色を使うことを禁止しているところもあります。

気をつけて色選びを行いましょう。

外壁のデザインはどうする?デザインを選ぶ際の4つのポイント

外壁材の機能や周辺環境を考えて選ぶの大切さはお分かりいただけたと思います。

次はもっとも迷う、外壁のデザインや色選びについて。

ハウスメーカーや工務店にお任せすれば楽ですが、それではもったいないです。

せっかくの家づくり、デザインも楽しんでみてください。

デザインを選ぶ際のステップは以下の通りです。

  • インターネットで情報収集
  • 好きなテイストの共通点を見つける
  • 収集したデザインを元に立面図に着色、デザイン
  • 設計担当者とイメージ共有

ステップ①:インターネットで情報収集

まずは、インターネットで情報収集をすることをおすすめします。

インスタグラムやブログではこんな家を作りました、とプロの方をはじめさまざまな方が写真をアップしています。

そこからあなたの好きなテイストの写真を10枚~15枚程度ピックアップしましょう。

ステップ②:好きなテイストの共通点を見つける

写真をピックアップして眺めていると、あなたがこの写真を選んだ共通の項目が見えてくると思います。

例えば、「黒いガルバリウム貼の家が多いな」とか「ベージュのリシン吹きの家が多いな」など。

その共通項目がデザインのヒントです。

ステップ③:収集したデザインを元に立面図に着色、デザイン

次に立面図を何枚かコピーして、色塗りをしていきます。

色塗りをする際には先ほどのヒントをもとに作成。

窓の位置はここじゃない方が見映えするな、ここにはアクセントで違うパターンの外壁が良さそうだ、など気づくことがあると思います。

ステップ④:設計担当者とイメージ共有

ここまでベースを固めて、あとは設計担当者とイメージの共有をします。

設計者は、あなたの建てたい建物を形にするプロです。

デザイン中に気づいたことも、設計担当者に伝えてみましょう。

きっと、良い方向のアドバイスをしてくれます。

あなたがデザインをすることについて

自分でデザインすると、設計者の気分を害するのでは?

と心配される方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

一級建築士で設計を担当している立場の私から言わせてもらいます。

実は、あなたがこのようにイメージを提示してくれると非常に助かります

あなたがどんなテイストの家が好きか、は設計者も分りません。

見えやすい形で提示をしてくれると、完成形のイメージも共有できるので、打ち合わせがスムーズにできます。

また、家への思い入れも伝わってきて、この家づくりに全力を尽くそうと思うのです。

外壁の色選びで注意したいポイント

デザインなどがある程度決まったら、今度は色選びです。

ここでは、どんな色を選んだほうがいいのか?

など、外壁の色に関することをについて少し解説していきます。

何色ぐらい使えばいい?

多くても二色ぐらいが妥当です。

これより色を増やすとデザインの難易度があがります。

またガチャガチャしたイメージになり、まとまりのない外壁のデザインになってしまいます。

ベースの色を決めて、アクセントで色を一色足すぐらいの感覚で考えるとスッキリした外壁のデザインになります

1階と2階で色を分ける、縦にアクセントを入れるなどデザインを楽しんでみましょう。

外壁の色を決める時の注意点

外壁の色を決める時は以下の点に注意します。

  • 小さいサンプルで見るより大きなサンプルで確認
  • サンプルは屋外で確認

小さいサンプルで見るより大きなサンプルで確認

外壁の色を決める時には塗装をしたサンプルを見せられると思います。

これを見て色を決めるのですが、ここで注意点があります。

外壁材は小さいサンプルで見るより大きなサンプルで確認して決めましょう

色には面積効果というのがあり、大きい面積で見る方が明るい色はより鮮やかにより明るく見えます。

逆に暗い色はより暗く見えます。

実際に貼られる外壁材は大きな面積になりますので、大きなサンプルを取り寄せてもらい、確認してから最終決定をしましょう。

サンプルは屋外で確認

また色を選ぶ際には、屋内で見るのと屋外で見るのは雰囲気が変わります。

外壁は屋外に貼り付けるものです。

ですから、屋外で確認することはとても大切です。

先ほどと同様に、最終決定する際には屋外でサンプルを確認してからにしましょう。

流行りの黒い外壁のメリットとデメリット

メリット

外観をすっきりとシックに見せてくれ、個性のある印象になること。

また重厚感や威圧感のあるイメージにも仕上がります。

デメリット

太陽の熱を吸収しやすいため、室内が暑くなりやすいこと。

夏場では白い外壁との温度差が20度近くあるとも言われていて、黒い外壁の室内は暑さを感じやすくなります。

黒い外壁を採用する際には、断熱材を施すなどの対応策をとる必要があります。

また、黒い外壁は紫外線を多く吸収するため色あせが早く、劣化しやすいです。

そのことから、メンテナンス周期が早くなる可能性があります。

すっきりデザインの白い外壁のメリットとデメリット

メリット

明るくシンプルで清潔感のある印象に外観が仕上がること。

特に洋風の家に白い外壁はよく合います。

また、白い外壁は熱を反射する効果があるため、夏場は熱の吸収を少なくする効果があります。

デメリット

汚れが目立ちやすいこと。

砂ぼこりや排気ガスの多い場所では、比較的早い時期に外壁の汚れが目立ち始めるためメンテナンスが必要となることもあります。

外壁のメンテナンスのタイミングや種類

いくらメンテナンスがかかりにくい外壁材を選んでも、外壁材はある程度の年数が経ってくるとメンテナンスが必要となります。

ここでは、いずれ必要となる外壁のメンテナンスについてご紹介します。

外壁メンテナンスのタイミング

外壁のメンテナンスは築10年程度を目安に行います。

それは10年程度で外壁に塗っている塗装の効果(塗膜防水など)が切れてくるためです。

また、ひび割れやカビ、コケなどが生えてきた場合にもメンテナンスを考えましょう。

メンテナンスをしないで長年放置していると、建物内部に雨水が侵入しカビが生えることもあります。

メンテナンスのやり方や種類

外壁のメンテナンス方法は以下のような方法です。

  • 張り替え
  • 塗り替え
  • 重ね貼り

張り替え

これまでの外壁を撤去して新しい外壁に張り替える方法です。

これまでの外壁をすべてはがすため、下地や防水紙などのメンテナンスができるメリットがあります。

塗り替え

これまでの外壁の上から塗装を再度行い、防水効果を高める方法です。

張り替えや重ね張りに比べて安価に済みます。

築30年を超えると、外壁材自体の劣化が激しいため塗り替えで対応出来なくなります。

重ね張り

これまでの外壁の上に新しい外壁材を貼り付ける方法です。

外壁材が二重になるので遮音性や断熱性が高まるメリットがあります。

まとめ

外壁材の選び方は単にデザインだけでなく、機能面やメンテナンスについても考えて選ぶ必要があります。

そうとは言っても、外壁はお家の顔でもあります。

機能面ばかりでなく、デザインや色もたくさん悩み是非あなた好みの素敵なお家づくりを目指してください。