空き巣をはじめとする住居への侵入被害は、年々減少傾向にあると言われています。

しかし、それでも1日あたり100件以上の被害が出ているのが現状ですので、いつご自身のご自宅が狙われるかはわかりません。

侵入被害の多くは、住人がその家にいる時ではなく、家族全員が出払っている無人の状態の時に起こりやすいです。

家に常にだれかがいるという状態が難しい場合は、どうにかして無人ではないということを知らせる必要があります。

それと同時に、侵入が難しい家、面倒な家、それから、仮に敷地内に侵入されたとしても住居までたどり着かせないような家づくりが重要になってきます。

実は、エクステリアに工夫を凝らすことによって、そのような家づくりは可能なのです。

防犯を意識した外構づくりを

空き巣や侵入といった犯罪を防ぐためには、第一に「入りたくない」と思わせる住宅づくりが重要になってきます。

エクステリアは、その中でも重要な役割を果たします。

留守だと知らせないエクステリア

空き巣は家族が家にいないことを確認してから住宅に侵入しようとします。

そのため、まずは留守だとわからないような外構づくりを目指しましょう。

暗くなったら自動点灯する照明

照明にも様々な種類のものがありますが、外部の明るさに応じて勝手に点灯、消灯するタイプのものも存在します。

例えば夜遅くまで誰も家に戻らないようなご家庭の住居は、外が暗くなった時間帯になると家の中も真っ暗なままです。

これだと空き巣犯などに、家には誰もいないので入ってくださいと言っているようなものなのです。

暗くなったら自動的に点灯する照明をエクステリアに取り入れていれば、家の中は暗いけど住宅内には誰かいるかもしれないから侵入は避けよう、という犯人の心理をつくことができます。

また、明るくなったら勝手に消灯するため、電気の消し忘れ等も避けられて一石二鳥です。

自動点灯、消灯ライトは、玄関や表札などに取り入れられることも多いですので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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ポストは大きめのものを設置

ポストが郵便物であふれていると、この家には誰も住んでいないのではないか、と空き巣犯に思わせることになります。

例え実際には人が住んでいたとしても、郵便受けにたくさんの郵送物が入っていてあふれだしそうになっている場合は、同様に無人の建物だと判断されることがあります。

長期的に誰もいない住居であれば、空き巣犯にとってはこんなに仕事のやりやすいところはありません。

大した郵送物がないのであれば問題ないですが、ポストが小さければ小さいほど郵送物があふれて誰もいないと勘違いされてしまいます。

数日家を空けるだけでポストがパンパンになるというご家庭は、それだけで空き巣に入られるリスクが高まるため、大きめのポストの設置をおすすめいたします。

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死角を作らない

空き巣犯や侵入者などの犯罪者は、基本的には人目につかない場所や暗い場所を好む傾向にあります。

仮に敷地内にそのような場所がある場合は、それだけで犯罪者が入りやすくなってしまうのです。

人目につかない場所について

例えば、背の高いブロック塀は一見侵入が難しく侵入者対策が取れているように見えます。

外部から中を見ることができないということは、いったん侵入さえできてしまえばあとは仕事がし放題ということでもあります。

ブロック塀だけではなく、庭にたくさんの木を植えている場合はその樹木の陰などに隠れることも可能です。

そういった死角に隠れることができれば、落ち着いて鍵をこじ開けたりガラスを割ったりすることができるため、簡単に侵入を許してしまうのです。

そのため、侵入は難しいが死角は作らない、といったエクステリアづくりが重要になってきます。

暗闇も侵入者が好む場所

例え死角がなかったとしても、夜間になると真っ暗になって周りから見えなくなってしまうような場所がある場合も要注意です。

日中は明るく外部からも丸見えである場所であっても、暗くなると侵入者が好む暗闇が出来上がってしまう場合は、そこに身を潜めることで簡単に家の中に入ることができてしまいます。

駐車中の車の後ろや庭に植えた木などの裏側などは、暗くなると外部から全く見えないことも少なくありません。

そのような死角をなくす家づくりを目指すか、暗闇を作らないような照明を設置する必要があります。

侵入の難しい住宅を

侵入が簡単に見える住宅は、真っ先に空き巣の対象となりがちです。

防犯を心がけるのであれば、できるだけ侵入しにくいと思わせる家づくりが求められます。

塀やフェンスは侵入が困難

侵入を難しくするエクステリアとして、塀やフェンスなどが挙げられます。

先ほどブロック塀は死角を作るため防犯に適していないと述べましたが、同じ塀の役割をするフェンスであれば、中が見えやすいため死角を作りにくく、かつ侵入しにくいため、高い防犯効果を発揮します。

塀であっても、足元や目線の高さが開いているものであれば、外からでも覗くことが可能です。

もちろん、まじまじと内部を覗く人は少ないでしょうが、犯罪中の空き巣犯からすると、その穴から覗かれる可能性があるかもしれないという心理から、侵入を食い止める効果があります。

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2階部分に上がらせない作り

例えば庭に物置やガレージなどを設置している場合、その建物に登られると簡単に2階の窓に侵入されてしまうことがあります。

また、物置などの建物だけではなく、2階に届くような大きな木を住宅のすぐ横に植えている場合も、同様に2階からの侵入を許してしまうことになります。

1階部分の戸締りは完璧なのにもかかわらず、特に暑い時期などは2階部分の窓が開けっ放しになっていたり鍵を閉め忘れたりする方も少なくありません。

侵入を防ぐには、2階部分の戸締りも徹底するか、2階に登られるような建物、樹木などを取り除く必要があります。

被害を未然に防ぐエクステリア

それでは、空き巣や侵入などの被害を防ぐためには、どのようなエクステリアを設置すべきなのでしょうか。

侵入者を未然に食い止める代表的なエクステリアを紹介します。

内部が見えるフェンス

先ほども述べましたが、道路から家の中が見通せるようなフェンスは防犯効果がかなり高いです。

高いフェンスのある住宅は侵入も困難ですし、頑張って侵入できたとしても外部から丸見えでは思うように仕事ができません。

犯人は人目を常に意識して行動しますので、侵入時も侵入後も丸見えの住宅には入りたいと思わないはずです。

ピッキングが難しい門扉

犯人の中には、人通りの少ない時間帯を狙って門扉をピッキングして侵入しようとするものも存在します。

しかし、その門扉がシリンダー錠付きなどのピッキングが困難な鍵になっている場合は、それだけで侵入をあきらめてくれる可能性があります。

そのカギを開けるのが大変だという理由もありますが、門扉からしっかりと防犯対策をしている住宅にはあまり近づきたくない、という意識も働くため、結果的に侵入を防ぐことができるのです。

防犯カメラの設置

犯人にもよくわかる場所に防犯カメラを取り付けるのも、防犯性を高める方法の1つです。

最近は小型の隠しカメラなども多いですが、あえて犯人に撮影しているということをわからせるような普通のカメラを取り付けることによって、犯罪者を住居から遠ざけることができます。

人目を気にする犯罪者は、当然カメラにも映りたくないはずですので、例え実際に撮影していなかったとしてもカメラがあるだけで高い効果を発揮します。

侵入者がすぐわかるエクステリア

例えフェンスや門を突破して敷地内に入り込まれたとしても、住居内への侵入を食い止めることができれば被害を未然に防ぐことができます。

ここでは、フェンスの内部に設置すると防犯性の高まるエクステリアの紹介をします。

砂利の設置

砂利にも様々な種類のものがありますが、基本的にはその上を歩くと必ず音が発生します。

中には、大きな音を出す防犯砂利という種類もあり、だれかがその上を歩くことによって大きな音が発生します。

空き巣犯や不審者は、人の目線だけではなく音にも敏感に反応するため、歩くたびに大きな音が出る庭から一刻も早く出ていきたいと思わせることができます。

低価格で設置も簡単なため、DIYで気軽に利用できるという点もポイントが高いです。

人感センサーライト

最近は人感センサーライトを取りつけるご家庭が増えてきているので、見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。

人感センサーライトとは、人が近づくと自動的に点灯するタイプの照明のことになり、誰かがそのライトの前を通り過ぎると勝手にあたりを照らすことになります。

暗いと思って侵入した住宅がいきなり明るく照らされると、侵入者は焦ってその場から逃げ出してしまうことが多いです。

例え留守で家族が誰も家にいなかったとしても、暗闇を好む犯罪者をいきなり明るく照らすことによって、住居への侵入を未然に防ぎます。

防犯性の低いエクステリアとは?

防犯効果の高いエクステリアを紹介してきましたが、最後に防犯性の低い外構を見ていきましょう。

ご自宅に下記のようなエクステリアを設置しているのであれば、防犯上の観点から、できるだけ早めに取り換えることをおすすめいたします。

外からの見通しが皆無のブロック塀

ブロック塀は侵入も難しいですしプライバシー効果も高いため人気のエクステリアとなっていますが、一旦侵入されてしまうとあとは犯人のやりたい放題になってしまう可能性があります。

プライバシーが守られているということは、それだけ外部からの死角を作りやすいということでもあります。

ブロック塀のリフォームは簡単にできるものではないかもしれませんが、死角が多いと、いつ空き巣などに侵入されるかわかりません。

どうしてもブロック塀がいいのであれば、目線の高さのところに穴をあけるようなデザインにするなどして、死角を減らすようにするとよいでしょう。

生い茂る樹木

自然が好きな方の中には、家の中にたくさんの樹木を植えるような方もいらっしゃいます。

緑に囲まれる生活はリラックスできますが、その反面、太い幹やたくさんの枝や葉が目隠しの効果を生み、見通しが悪くなって空き巣犯などが隠れられるような場所を提供してしまいます。

樹木を完全になくすということではなく、なるべく外部から家の中を見ても全てが見渡せるようなデザインの樹木を植えた方が良いでしょう。

例えば腰より低い木であれば、犯人が鍵をこじ開けようとする様子が外から丸見えですので、それだけでも防犯効果が高まるといえます。

戸締りする意識も重要

いくらエクステリアが防犯上優れていたとしても、それを使うご家族の方の防犯意識が低ければ、同様に空き巣に入られてしまいます。

例えば厳重なロックがある門扉であったとしても、ちょっとすぐそこのコンビニに行くだけだから、ちょっとごみを捨てに行くだけだから、というような理由で鍵をかけないような方もいらっしゃいます。

その5分間、10分間は、普段はセキュリティーの高い住居に侵入し放題ということになってしまうのです。

1度や2度忘れるくらいであれば問題ないかもしれませんが、毎回鍵をかけないことが癖になっている場合は、その癖を嗅ぎ取られ、いつの日か侵入を許してしまいます。

防犯を食い止めるエクステリアをいくつか紹介してきましたが、結局はそのご家族の意識の高さが防犯に直結しますので、エクステリア同様高い防犯意識を持つようにしましょう。

最後に

自分の家は大丈夫だろう、と思っているご家庭ほど、空き巣に入られる可能性が高くなります。

空き巣犯をはじめとする犯罪者は基本的にはどこの地域にも存在しますし、絶対に安全な家というのは存在しないのです。

家族が留守の間に誰かを家に侵入させてしまうということは、物品の被害だけではなく精神的にも大きなショックを与えることになります。

それを未然に防ぐことができるのは、防犯性の高いエクステリアなのです。

もちろんエクステリアがあるから100%安心だというわけにはいきませんが、それでも防犯性の低い家と比べると侵入される可能性がぐっと下がることになります。

犯罪者を家に招き入れないためにも、エクステリアから防犯を意識してみてはいかがでしょうか。