解体工事の費用は、新築住宅と同じように「坪あたりいくら」で表現するのが一般的です。

しかし、建物の坪数と単価を掛け合わせれば、解体工事費が分かるほど単純ではないのです。

この記事ではそんな、解体工事の費用や相場のからくりを説明します。

解体工事の相場とは?

先ほども説明したとおり、坪あたりの単価で表現するのが一般的です。

しかし、この単価が示す金額はあくまで「解体費」です。

つまり、この建物を「壊す」のにいくらかかるかという金額が分かるだけで、解体工事にはそれ以外にも費用がかかるため決して総額が予測できるわけではないのです。

解体費にかかる費用は後ほど詳しく説明しますが、まずは「解体費」の相場を見ておきましょう。

建物の構造によって異なる相場

建物の構造(どのような素材で建築するか)には以下のような種類があり、その構造ごとに解体しにくさが異なるため、同じ面積の建物であっても解体工事にかかる金額が変わってきます。

仮に同じ面積の建物を解体するとした場合

木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造

の順番で解体費が高くなります。

木造建物は坪あたり2.5万円~

柱や梁に木材を使用している建物です。

木造の中にも

  • 木造軸組工法(日本に古くからある建て方で「在来工法」ともいいます)
  • 木造枠組壁工法(こちらは「2×4工法」の呼び方がおなじみかもしれません)

など、複数の建築方法があります。

木造建物の解体費の相場は「坪あたり2.5万円~」と言われています。

鉄骨造建物は坪あたり3万円~

柱や梁に鉄製・鋼製の部材を使用している建物です。

  • 厚さ6mmを超える鋼材を重量鉄骨
  • 厚さ6mm以下の鋼材を軽量鉄骨

といい、大手住宅メーカーの中には、軽量鉄骨造が主力商品という会社もあります。

鉄骨造建物の解体費の相場は「坪あたり3万円~」と言われています。

鉄筋コンクリート(RC)造建物は坪あたり3.5万円~

柱や梁がコンクリートを使用し、コンクリートの芯に鉄筋が入っている構造です。

コンクリートと鉄のよいところを掛け合わせた構造で非常に頑丈です。

鉄筋コンクリート造建物の解体費の相場は「坪あたり3.5万円~」と言われています。

その他

鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造という構造もあります。

また「混構造」といって、1階が鉄筋コンクリートで2階を木造にするなど複数の構造を組み合わせた建物もあります。

地域によって異なる相場

実は地域によっても解体費の相場は異なります。

特に首都圏(東京、神奈川)は、先ほど挙げた相場よりも高い傾向にあり、相場といっても地域によって金額にはかなりの幅があります。

相場を知っても意味がない?

はっきり言ってしまうとそうなります。

例えば、「木造だと坪あたり○円くらいの解体費がかかる」という相場は、たしかにあります。

しかし、それは多数の解体工事の費用を平均した結果「木造ならだいたいこれくらいになる」というだけであって、あなたがこれから解体しようとする建物がその相場内に収まる保証はどこにもありません。

場合によっては、相場よりもはるかに高くなる可能性も十分にあります。なぜなら、解体工事は次のような事情によって変動するからです。

なので、相場を知ってもそこまで意味がないという人もいるわけです。

建物が狭隘(きょうあい)地にある場合

狭隘地とは、周辺の道路が狭く、車両が入って来られないような土地のことをいいます。

このような土地に建物が建っている場合、重機や運搬車両が入れないため、「手壊し」「手運び」などが必要になります。

「手壊し」とは、文字どおり解体工事の職人さんが手作業で解体していく場合をいいます。

重機であれば一瞬の作業でも手作業だと何日もかかるうえに、何人も職人さんを投入する必要があるため、その分だけ人件費がかさみ、解体費は割高になります。

重機や運搬車両が入れる土地であるかどうかは、実際に現地に見積もりに来てもらわなければ分かりません。

長屋を解体する場合

都市部では昔から狭い土地を有効に使うため、「長屋」といって建物の壁を隣の家と接して建てる方法があります。

総務省統計局の住宅・土地統計調査によれば、平成25年時点で、日本国内に長屋は約129万戸あり全住宅の2.5%を占めています。

長屋を解体するには、隣の建物とくっついている壁の切り離しが必要ですが、古くからある木造長屋の場合、解体工事の振動によって隣の建物に損傷が生じることもあるため、重機が使えず「手壊し」が必要となります。

また、無事に解体が終わった後には、隣の家の壁を補修する必要がありますが、通常、この費用は解体する側の負担となります。

このように、難しい作業を伴いさらに隣の壁の養生費用も必要となるため総じて長屋の解体工事は割高になります。

アスベストを使用した建物を解体する場合

アスベスト(石綿)は耐熱性などに優れることから、昭和中期~後期の建物では屋根材や外壁材にアスベストが使用されている場合があります。

しかし、アスベストの粉塵を吸いこむとじん肺や中皮腫を発症するおそれがあるためアスベストが使用された建物を解体する場合には特別の除去費用がかかります。

なお、平成18年に建築基準法が改正され、現在はアスベストを含んだ建材は使用できなくなっています。

地中障害物がある場合

これが厄介で、昔は建築廃材の処理方法に対する意識が低く、建物を取り壊したときにそのまま廃材を地中に埋めてしまっているケースもあります。

こうした地中障害物は、解体工事をやってみて初めて判明することも多いためあとから追加料金が必要になる場合もあります。

しかし、こればかりは工事を始めてみなければ分からない場合もあるため、解体工事業者を責められません。

解体工事にかかる費用

「解体工事費」とは、通常、実際に建物を取り壊す費用のほか、さまざまな経費を合計したものを指します。

見積もりの見方はこちらの記事「解体工事の見積書でチェックしたい5つの項目と適正な値引きについて」詳しく解説していますが、まずは建物の取り壊し費用以外にどのような費用がかかるか見ておきましょう。

廃棄物処理費

建物を取り壊したときに出る廃材は、産業廃棄物に変わります。産業廃棄物の処分については別途費用がかかります。

要するに、建物を取り壊す費用とこれを処分する費用は別物だということです。また、建物の内部に大量の不用品がある場合にはこれを処分する費用も含まれます。

一口に産業廃棄物といっても、建物を壊したときに出る廃材は、木材、鉄くず、コンクリートガラ、瓦などさまざまで、品目ごとに処理施設も異なります。

それに、アスベストの処理費用がこの項目で加算されることもあります。

なお、中には無許可で産業廃棄物を扱ったり不法投棄する悪質な業者もありますが、本来、産業廃棄物の運搬も処分も許可業者でなければできない仕事です。

解体工事業者の選び方については別途詳しく説明します。

付帯工事費用

建物本体の解体以外に、付属する設備を解体する場合の工事費です。

例えば、建物の外構設備として、ブロック塀が設置されている場合や浄化槽や井戸を埋め戻す工事などがこれにあたります。

また、長屋を解体する場合には隣の家の壁を養生する必要がありますがこの養生費も付帯工事費用にあたります。

諸経費

まさに諸々の費用です。

ただし、明細書には具体的に内訳を記載せず、ざっくりと「諸経費」と書かれている場合がほとんどです。

具体的にどのような費用がかかっているのか見てみましょう。

駐車場代

工事関係者の車両を駐車するスペースがない場合には近隣で駐車場を借りる場合があります。

ガードマン代

通学路沿いの建物や往来の激しい道路沿いの建物を取り壊す場合など、工事車両の出入りで付近の通行に支障が出ないよう、ガードマンを配置することがあります。

事務費

延べ床面積が80㎡を超える建物を解体する場合には役所に届け出が必要になります。また、解体工事のために一時的に道路を占有する場合には、管轄の警察署で道路占有許可を取られなければなりません。

このように解体工事といっても、現場での取壊し作業だけではなく、行政関係への届け出作業等もあるのです。

解体工事には自治体の補助金が出る?

「自治体によっては」という条件付きですが、解体工事の補助金が支給される場合があります。

例えば、北海道函館市では倒壊や建築部材が飛散するおそれがある空き家の解体工事に対し、最大30万円の補助金制度を用意しています。

ただし、解体工事の補助金といっても、こうした「危険な空き家対策」として老朽家屋の解体を目的としており、まだ居住できるレベルの建物を解体して建替えたいという場合は適用の対象外です。

補助金制度のある自治体はまだまだ少数ですが、近年は老朽化した空き家が社会問題としてクローズアップされており、解体工事に対する補助金はもさらに広がりを見せるかもしれません。

解体工事用ローン

一般的な戸建て住宅の解体でも、数十万円から100万円を超える高額な契約ですので「老朽化が激しいので壊したいがまとまったお金がない」という場合もあるはずです。

こういう方のために、解体工事用ローンを用意している金融機関もあります。

福岡銀行には「空き家解体ローン」という商品があり、所定の条件を満たせば、無担保で上限300万円まで融資が受けられます。

福岡銀行空き家解体ローン

解体工事用ローンを取り扱っている金融機関もまだ多くはありませんが、こちらも空き家問題を反映して広がりを見せるのではないでしょうか。

まとめ

このように、解体工事費用とは

建物自体の取り壊し費用+廃棄物処理費+付帯工事費+諸経費を合計した金額

をいいます。

しかし、取壊し費用は建物の構造や面積、地域によって変動し、さらに個別の事情(狭あい地、長屋、アスベストなど)によって加算されることもあります。

なので、一般的に「相場」と呼ばれている金額を鵜呑みにして、「坪単価×面積」で予算を立ててしまうと大幅に予算超過するおそれがあります。

見積もり時の現地調査を強く薦めるするのは、解体工事の費用にはこうした複雑な要素があるからです。

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