自宅の老朽化した部分を新しくしたり、使いにくい場所を改善するためには、リフォームを行うことになります。

中には家主が自身でリフォームをしてしまうようなご家庭もありますが、大掛かりなリフォームは専門の業者に依頼をするのが一般的です。

それでは、 業者にリフォームをお願いする際にはどのような手順を取ることになるのでしょうか

まずはリフォームする場所をはっきりとさせ、その上で見積もりを取ってもらい、そして業者に現地調査を行ってもらうことになります。

もちろん、実際にリフォームのための工事が始まってからも、しなければならないことはたくさんあるかもしれません。

しかし、今回はリフォームを決断してから業者との契約までの手順や注意点などを紹介させていただきます。

リフォームしたい場所・希望を明確にする

日々の生活を送る中で、住宅に対して何らかの不満を持つ方もいらっしゃるのではないかと思います。

そういった場所にリフォームを加えて理想の住居を造っていくことになるのですが、具体的にどこをどのようにリフォームするのかが漠然としているケースも少なくありません。

まずは、様々な媒体を通して目指したい家を明確にしていきましょう。

ネットで確認する方法

やはり最近は、最も気軽に理想の住宅を見ることができる手段としてインターネットが使われることが多いです。

もちろん他にも色んな媒体がありますが、ネットはその中でも情報量が圧倒的にずば抜けているため、様々な家を見ることができます。

また、日本国内の住宅だけではなく世界中の建物を参考にすることができるため、実際に日本でリフォームできるかは別として、色んなジャンルのリフォームのアイディアを見つけることができるはずです。

しかし、現実的なリフォームを考えるのであれば、やはり 日本の建材業者やリフォーム専門の施工業者などのウェブサイトを見ることをおすすめいたします

たくさんの情報を並べて比較するというのには不向きですが、リフォームのための様々な知識を得るという点ではインターネットが優れていると言えるでしょう。

雑誌やカタログで確認する方法

書店に行けば、様々なリフォームの成功事例などを特集した雑誌が売られていますし、ネットで専門の施工業者にカタログを請求したりすることも可能です。

カタログは基本的には無料で請求することができますが、気軽に本屋で立ち読みしながら気に入ったものを購入して集めていくのもよいでしょう。

しかし、実際にご自宅をリフォームするという気持ちが強いのであれば、雑誌よりもカタログを集めて理想のデザインを探すことをおすすめします。

施工業者からもらうカタログでは、実際にその施工業者が取り扱っている建材や設備などを利用して作られた住宅を紹介していることが多いため、いざリフォームをお願いするとなった際にスムーズに行動に移すことができるからです。

雑誌にはバラエティに飛んだ様々な住宅が紹介されていますが、どこの業者もその雑誌と同じように工事を行うことができるとは限りません。

まずは雑誌でたくさんのアイディアを集め、何となくのデザインの方向性などが決まったら、今度はカタログを請求してその中から選ぶというのも方法の1つです。

見積もり依頼を出す業者を探す

リフォームをする際には、まずは様々な業者に見積もりをお願いすることになります。

  • 具体的にいくらくらいかかるのか
  • どのようにリフォームすべきなのか

という相談とともに最終的なリフォームプランを作っていくわけですが、そもそもどこでそういった業者を見つけるのが良いのでしょうか。

インターネットで検索

ネット検索であれば、あらゆるジャンルの施工業者やリフォーム専門業者、工務店などを調べることができます。

地域を絞って検索することもできるため、近場の業者とすぐにコンタクトを取ることが可能になります

口コミなどを元にして良い業者を選ぶことができるというのもネットの大きな強みですし、複数の業者と一気にやり取りできるというのもネットのメリットと言えるのではないでしょうか。

ただし、もちろんネットが普及しているとは言え、自社のホームページを持っていない業者も多数存在するため、ネットのみで検索するということは、たくさんある業者の中の一部の業者の中から選ぶということになってしまいます。

また、当然ネットで初めてコンタクトを取る業者の中には悪徳業者と呼ばれる施工業者も存在するため、利用する際には業者の対応や口コミなどをしっかりと確認して判断する必要があります。

雑誌やカタログで検索

施工業者などが作るカタログであれば、そのカタログ内に業者とのコンタクト方法などが記載されているはずです。

同様に、リフォーム専門の雑誌などには施工した業者や工務店などの情報が乗せられていることも少なくありません。

このような探し方をすれば、 悪徳業者を選んでしまうようなことは避けられるはずですし、安心してリフォーム工事をお願いすることができます

ただし、雑誌やカタログで紹介される業者は限られているため、選択肢が少ないというのが大きなデメリットとなってしまいます。

また、雑誌で紹介された業者にコンタクトを取ろうとする方は他にもたくさんいる可能性もあるため、スケジュールの都合がつかず工事が先送りになってしまうというリスクも考えなければなりません。

ショールームで検索

例えば大手のリフォーム会社などであれば、ショールームを持っていたり定期的に展示会を開いたりすることもあるため、そういった催し物に参加してリフォーム後の住居をイメージするというのも方法の1つです。

ただし、単独で展示会を行っている場合は、 当然その業者が提供する建材や設備を利用したリフォームが中心となってしまうため、自分のイメージに合うリフォームに出会えるとは限りません

それでも中には、複数の業者が参加するような展示会もあるため、そういったところに足を運ぶと好みのデザインに出会える可能性も高くなります。

イメージに合うデザインを見つけられなかったとしても、ネットや本で見るよりイメージに直結したプランを体感することができるため、ショールームや展示会には積極的に参加することをおすすめいたします。

気になるプランがあれば、その場で業者に相談したり見積依頼を出したりすることも可能なため、その後の見積もりから契約までもスムーズに進むはずです。

現地調査をする前の注意点

リフォームで見積もりを出すためには、実際の工事予定の現場を見てみないと正確な金額を出すことができません。

作業しやすい場所かどうかで価格が変わることもありますし、場所によって必要な建材の量も変わってくるため、基本的には現地調査をした上で見積もりを出してもらうことになります。

続いて、見積もりをしてもらう前の注意点を見ていきましょう。

見積もりにかかる時間はバラバラ

例えば解体工事をする際などには、30分もあれば現地見積もりが完了してしまうケースも多いですので、リフォームの見積もりもすぐに終わってしまうと考える方も少なくありません。

しかし、ただ壊すだけの解体工事とは異なり、

⇒解体工事に必要な期間の目安と工期が遅れてしまうよくあるトラブルとは

リフォームは今後もそこで快適に住み続けるための工事になるため、正確に採寸を行い現状を確認する作業が必要になってきます。

また、施主からのヒヤリングも必要になってくるため、そこでリフォームのイメージがきちんと固まっていないと、さらに時間がかかってしまいます。

もちろんリフォームをする場所にもよりますので一概にいうことはできませんが、それでも長くて2時間もあれば現地調査は完了することが多いです。

ただ、やはり現地の見積もりにきちんと時間をかけてしっかりと話を聞いてくれる担当者の方が印象もよいはずですので、見積もりには時間をたっぷりと用意しておきましょう。

希望をはっきりとさせる

例えばキッチンのリフォームをしたいとなった場合、施主の頭の中ではある程度のイメージが固まっている可能性も高いです。

  • テレビで見たご家庭のシステムキッチンがオシャレだった
  • どこかの雑誌で見かけたような高機能のキッチンにリフォームしたい

など、漠然としていたとしてもリフォームを考える元となったプランがあることも少なくありません。

しかし、 その頭の中の映像を細かく業者に伝えることができなければ、業者としても具体的にキッチンのどこをどのようにリフォームすればいいのか全くわかりませんし、当然見積もりを出すこともできません

イメージが固まっていない段階で見積もり依頼をしてしまうと、後から値段が上がってしまうなどのトラブルが発生しやすくなりますし、選んだ業者によっては工事できないと言われてしまうこともあります。

無駄なトラブルを避けるためにも、見積もりを依頼する前にリフォームのイメージを明確にして置き、そのイメージを業者に細かく説明できるようにしておくことをおすすめいたします。

理想とするプランの写真を用意したり、建材にこだわる場合は複数の建材を選んでそれぞれの料金を出してもらったりするのも良いでしょう。

マンションでリフォームをする前に

マンション等の集合住宅に住んでいらっしゃる方の中にも、室内をリフォームしたいと考える方は少なくありません。

集合住宅をリフォームする場合は、見積もりをする前に施設のどの部分がリフォーム可能なのかということを確認しておく必要があります。

例えば、外からは見えないお風呂やキッチンなどのリフォームには何の問題もないかもしれませんが、建物によっては玄関扉の外側やベランダの外側が共有部分とみなされ、リフォームしてはいけないとなっていることもあります。

もちろん実際にリフォームをするのは施工業者ということになるかもしれませんが、当然そのルールを確認せずに工事を依頼した施主にも責任があるため、後々面倒なことになる可能性もあります。

管理規約などを確認するか、その作業が大変な場合は管理人などにリフォームする旨を相談してみるとよいでしょう。

目に見える部分だけではなく、普段は見えない配管などにも管理規約が適用されることがあるため、事前に確認しておくことをおすすめいたします。

相見積もりの注意点

リフォームをする際には、1つの業者に現地見積もりをするだけではなく、複数の業者に相見積もりを依頼するのは当たり前のことになりつつあります。

様々な業者のプランを比較したり料金を確認できるためメリットが大きいのですが、相見積もりの方法を間違えるとデメリットになってしまうこともあるため注意が必要です。

同じ条件で比べる

当たり前のことかもしれませんが、 相見積をする場合はどの業者とのやり取りも同じような条件で行う必要があります

A社とは高価な建材を利用したリフォームの話を進め、B社とはリーズナブルなりフォームの話を進めていたとすると、当然A社の方が見積もりが高くなるに決まっています。

そのため、見積もりをする際には扱う建材や設備などをできるだけ同じにして料金を比較することをおすすめいたします

もちろん業者によって取り扱っている建材などが異なることも多いですので、完全に同じ条件で見積もりを出すというのは難しいかもしれませんが、少なくとも比較することはできるはずです。

もしくは、予算を伝えてその予算ギリギリでリフォームできるプランを紹介してもらい、その中から選ぶというのも方法の1つです。

その場で値引きはしない

相見積もりをしていると、どうしても見積もり中に他の業者との比較をしがちですが、それを見積もり中の担当者にそのまま伝えるのは避けたほうが良いでしょう。

複数の業者と実際に接して自分なりに思ったことをまとめたり、値段の比較をしたりするのは全く問題ありません。

しかし、 見積もりをしてもらっている最中に、この前見積もりをしてもらった他社の方が安かった、などとその場で値下げをほのめかすような言動はできるだけ控えることをおすすめいたします

最終的に絞った1社と価格の値下げ交渉をするのはわかりますが、業者ごとで競わせて交渉をすると手抜き工事の原因にもなるため、格安でリフォームをするのを目指すのではなく、妥当な価格で良いリフォーム工事をしてもらうようにしましょう。

業者と契約する前に注意点

複数の業者に見積もりを出してもらったら、その中から最も条件の良い業者と契約を結ぶことになります。

見積もりまでは無料でやってもらえることが多いですが、いったん契約を結ぶとキャンセルなどが難しいため、慎重に行う必要があります。

最後に、契約をする前に気を付けるべき点を紹介させていただきます。

契約は納得してから

当たり前のことかもしれませんが、不安点や疑問点を抱えたまま契約を結んでしまうと、後々トラブルになったり嫌な思いをすることになります。

できれば料金をもう少し安くしてほしい、といった要望はあるかもしれませんが、 工事期間や工事の時間などの工事に関する情報もしっかりと把握し、わからない点はなくしてから契約することをおすすめいたします

契約後に「こんなはずじゃなかった」なったとしても、その契約で納得して印鑑を押しているということになるため、気軽に契約書を交わしてしまうのではなく、事前にわからない点を全て聞いてしまうようにしましょう。

中には、早く契約を取りたいという気持ちでガツガツくるようなスタッフもいるかもしれませんが、あくまでもリフォームを依頼するのはこちらですので、こちらのペースを守って契約に持って行くようにするとうまくいきやすいです。

アフターサービスを確認するべき

見積もりが安い業者の中には、アフター保証などのサービスが含まれていないようなところも存在します。

アフター保証は、リフォームしてもらったプランのどこかに不具合が生じた場合、通常は無償でその施工会社が修理を請け負うといったもの。

このサービスがないと、リフォーム後すぐに壊れてしまったとしても、施主が再度その費用を負担しなければならない可能性がありますし、結果的に少し割高でもアフター保証がついている業者に依頼したほうが安くなることが多いです。

また、アフターサービスのない業者は、壊れても補償する必要がないという考えから、手抜き工事を行うリスクもあります。

このアフター保証がなかったとしても、 契約時に業者への瑕疵担保責任の記載があるか確認し、すぐに壊れた場合は業者に責任を問えるような形にしておくのがベストです

瑕疵担保責任とは
請負契約で定められた内容通りに作られていなかったり、傷や欠陥、欠点などが出た場合に業界に責任を問うことができること。簡単にいえば、リフォーム工事の場合では工事に不完全な点があった場合に、補修を求めることができる規定。

もちろんアフターサービスがない方がリフォーム工事代が安くなりがちですが、長い目で見るとやはり保証を付けるほうが望ましいですので、できればそのような業者を選びましょう。

不安な点をすべて解消してから契約しよう

リフォームは施工業者によって大きくプランが異なることがありますし、建材を変えるだけで価格が大幅に安くなったり、反対に高くなったりすることもあります。

そのため、 まずは様々な業者とコンタクトを取ったり、色んなプランを自分の目で確認して、どのようにリフォームをしていきたいかの想像を膨らませましょう

その上で、複数の業者に自分のイメージを明確に伝えて見積もりを出してもらい、価格やスタッフの対応などを確認して最終的に契約をすることになります。

契約をした後は簡単に条件を変えたりするのが難しいですので、不安な点をすべて解消してから契約書に判を押すようにしましょう。

そうすることによって、安心してリフォームを任せることができるはずです。