リフォーム業者にリフォームをお願いして、順調に工事が終わったと思ったら、その後で何らかのトラブルが発生するケースもあります。

どこをどのようにリフォームするかによってトラブルの種類が変わってくることもありますが、そのトラブルごとに適した解決方法を取らなければなりません。

しかし、事前の打ち合わせをおろそかにしていたり、契約書などをしっかりと作っていなかったりした場合は、こちらのミスということで泣き寝入りしなければならないケースもあります。

もちろんほとんどのリフォーム業者がきちんとした施工をしてくれるはずですが、一部の業者は利益を求めた手抜き工事を行ったりすることもあるのです。

そのため、リフォーム工事を業者に依頼する前に、トラブルの種類やその解決方法をしっかりと把握しておくべきでしょう

今回は、リフォーム後に発生するトラブルや、トラブルを避けるための方法などについて紹介させていただきます。

リフォーム後の様々なトラブル事例

リフォーム後に施主が気が付く代表的なトラブルは、

  • 打ち合わせ内容とデザインが違う
  • 不具合が発生する
  • 追加料金が発生する

の3つになります。

打ち合わせ内容とデザインが違う

リフォーム工事が終わって、その工事をした場所を見たら、打ち合わせ時に確認していたイメージと全く違ったものが出来上がるというのはよくある話です。

思っていたものと違うパターン

例えば、写真でおしゃれだと思っていた壁紙をそのまま注文したら、実際には安っぽい壁紙で見た目が悪くなったといったものが挙げられます。

同様に、使い勝手が良いと思って注文したキッチンやバスタブなどが、その部屋のサイズとマッチせずに不格好になってしまうというケースも存在します。

リフォーム業者からすると、注文されたものをそのまま設置したということになるため、基本的には業者側に非がないと捉えられることが多いです。

しかし、例えばサイズが合っていないといった場合は、事前に声をかけてくれてもよかったんじゃないかと感じる方も多いのではないでしょうか。

もちろん考え方によっては、業者がプロ意識に欠けていると判断できますが、客観的に見ると色やサイズを確認せずに注文してしまった施主側のミスです。

対処法は?

特に色に関するトラブルは後を絶ちませんので、実際に依頼をする前に実物のサンプルを見せてもらうようにしましょう。

光のあたり具合や、室内の他のインテリアとの相性によって考えていたものとは全く違ったものになってしまうこともあるため、焦らずゆっくり比較する必要があります。

例えば最初にお願いしていた商品と全く違った商品を設置されたというような場合は、業者のミスなのでなりなおしてもらえるケースがほとんどです。

しかし、こちらが選んだものが間違いなく設置されている場合は、追加料金を支払ってやり直してもらうことになるため注意しましょう。

不具合が発生する

リフォームは無事終了したと思ったのに、しばらくたったらリフォームした部分に不具合が発生するといったタイプのトラブルも少なくありません。

不具合の種類

例えば、

  • 洗面所を入れ替えてもらったのに水漏れが発生する
  • 壁紙を一新したらすぐに剥がれてきた
  • 屋根の葺き替え後に雨漏りが発生した

などのように、リフォーム後に再度修繕工事をしなければならないケースもあるのです。

対処法は?

一般的には、そのリフォーム工事を行った業者に連絡をすれば、無償で追加工事を行ってもらえることが多いです。

しかし、そのリフォーム業者が忙しいなどの理由で、工事が後回しにされてしまうケースも少なくないため注意が必要です。

実際に不具合が生じるというケースは珍しいことではないため、不具合が生じた場合にどのような対応を取ってもらえるのかを事前にはっきりさせておきましょう。

詳しく後述しますが、保証期間などを設けていることが多いため、不具合が発生したらまずは契約書をチェックすることをおすすめいたします。

対応してもらえない場合は?

保証期間中なのにもかかわらず、なかなか対応してもらえないというケースも多いようです。

また、客観的に見てもリフォームが原因で不具合が発生していたとしても、そもそも契約書に補償期間などの記載がないため対応してもらえないということもあります。

対応してもらえない場合は、建築士や弁護士などの専門家に相談をしてみましょう。

その際には、具体的にいつどのようなリフォームをしたのか、不具合に気付いたのはいつなのか、ということをはっきりさせておくと、話がスムーズに進みます。

追加料金が発生する

リフォーム工事の直後、またはリフォーム工事中に、リフォーム業者から追加料金を請求されるというケースもよくあります。

見積もりの漏れによる追加料金の扱い方

例えば、バスルームのフルリフォームをオーダーしていたのに、終わってみたら脱衣所との間のドアがそのままになっているという場合は、業者と施主との間で認識の相違が存在します。

施主としてはドアも含めてフルリフォームのはずだったのに、業者としてはバスルーム内のフルリフォームだからドアは含まれていないといったものです。

ドアも交換してもらえるものだと思っていたとしても、実際にドアを交換するとなると追加で料金が発生するため、ここでトラブルになってしまうのです。

慌てて見積書をチェックすると、確かにドアの取り換えが含まれていないというケースもあるため、やはり工事前の見積書の確認は非常に重要です。

予期せぬトラブルによる追加料金の扱い方

バスルームをフルリフォームする際に、元々のバスルームを取っ払って土台を確認したら、その土台が腐っていたというようなケースも珍しいことではありません。

当然土台が腐ったままでは新しい設備を導入することができないため、その土台を補修するための工事を新しく追加する必要があります。

もちろん見積もりの段階ではそんなことがわからないため、この場合は施主と業者のどちらにも非がないと考えることもできます。

しかし、バスルームのフルリフォームを請け負った時点で、そういった可能性があるということを予め伝えておかない業者にも多少の責任があるということもできます。

この場合は土台を補修するための費用を施主が負担せざるを得ないため、打ち合わせの段階からそういった可能性があるということも踏まえて話し合う必要があります。

リフォームのトラブルを避けるために注意すべき4つのポイント

それでは、上記のようなトラブルを避けるためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

トラブルを予防する方法はたくさんありますが、最低でも以下のことに気を付けましょう。

  • 打ち合わせをしっかりと行う
  • 打ち合わせ内容を残しておく
  • 契約書を交わす
  • リフォーム後にしっかり確認する

打ち合わせをしっかりと行う

リフォーム工事を依頼する際の基本中の基本ですが、リフォーム前の打ち合わせは認識のズレがないようにきちんと行う必要があります。

書類を確認しながら担当者と綿密に打ち合わせを進めていけば、最低でも工事の内容に関する認識のズレが生じることはなくなるはずです。

しかし、具体的に打ち合わせでどのようなことに気を付けるべきなのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

打ち合わせで聞いておくべきこととは?

打ち合わせの段階では、以下のことに注意して話を進めていきましょう。

  • こちらの要望を濁さずに相手にはっきり伝える
  • 出来上がりをイメージできる写真を用意する
  • 導入する商品をその目で確かめる
  • 疑問点は残さない
  • 工事の範囲をはっきりとさせる

こちらの要望を濁さずに相手にはっきり伝える

具体的にどこをどのようにしたいのかを、誰がきいても同じように受け取れるようにはっきりと伝える必要があります。

例えば、壁紙を白っぽい色でというような表現は人によって認識が異なるため、後々トラブルになるケースが多いです。

出来上がりをイメージできる写真を用意する

自分が思っていたイメージとリフォーム後の雰囲気の不一致は、やはり施主と業者のイメージの不一致によって発生します。

できれば業者が出来上がりを明確にイメージできるように、参考となる雑誌やカタログなどの写真を用意しておきましょう。

導入する商品をその目で確かめる

写真で見る素材と実際の目で見る素材とでは、明らかに見た目が異なるものも少なくありませんし、肌触りなどが異なるケースも多いです。

特に天井クロスや壁紙、外壁のための塗料、フローリングなどは、写真で見るよりも実物のサンプルを目で見て触って確認したほうが確実です。

疑問点は残さない

リフォーム工事を依頼する前に、または業者との話し合いの最中に不明点が出てきたら、それらを全てメモに残しておきましょう。

そして、工事をオーダーする前にまとめてその不明点を質問し疑問点を解消しておくことで、思い通りの工事ができる可能性が高まります。

工事の範囲をはっきりとさせる

工事範囲のズレをなくすには、打ち合わせの段階で具体的にどこからどこまでをどのようにリフォームしてくれるのかをはっきりさせておきましょう。

例えば、リフォームで取り外した古い素材の処分費用が含まれていないといったトラブルも多いため、工事範囲だけでなく業者が何をしてくれるかを把握しておきましょう。

打ち合わせ内容を残しておく

打ち合わせの内容は、後から言った言わないにならないように、きちんとメモに残しておくことをおすすめいたします。

例えば特別な内容をお願いしていたのに、口約束で話していただけで書面に残していなかったということで、後々トラブルになるケースもあります。

どんなに些細なことであったとしても、打ち合わせで話をした内容はできるだけ細かくメモに残しておきましょう。

打ち合わせでメモした内容と見積書の内容を見比べることで、ちゃんと業者に内容が伝わっているかを把握することもできるため便利です。

同様に、こちらが伝えたことを担当者がきちんとメモに取っているかを確認するのも重要です。

契約書を交わす

こちらも当たり前のことですが、リフォーム業者に工事をお願いする際にはきちんと契約書を交わす必要があります。

中には契約書を作成せずにそのまま工事に取り掛かろうとする業者もいるため、相手のペースに流されないように注意してください。

契約書には、打ち合わせで話し合った内容の他に、見積書で出された金額、その他の補償内容など、様々なことが記載されています。

リフォームで見積もりをする際の注意点と無料で相見積もりをする方法!

細かい契約書などは見るのが大変だからとりあえずサインしておけばよいと考える方もいますが、できる限り内容は把握しておきましょう。

リフォーム後のトラブルに対応するには、この契約書がカギを握ることも多いため、可能な限りじっくりと読んでおくことをおすすめいたします。

リフォーム後にしっかり確認する

リフォーム工事が終わったら、まずは業者とともにその場所の確認を行います。

一般的には、工事が終了したら工事完了確認書などに施主がサインをすることになりますが、納得した上でサインをしなければそれで工事が完了してしまいます。

リフォーム工事が終わったら、具体的には

  • 設備のグレードや色、デザインに不備がないか
  • 電気を利用する場所をリフォームした場合はきちんと作動するか
  • 水回りをリフォームした場合は水漏れなどのトラブルがないか
  • リフォームによってキズやへこみなどが発生していないか
  • リフォーム箇所を動かすことで他の箇所に不具合が発生しないか
  • 古い素材をきちんと処分してもらえているか

ということを確認しましょう。

納得できれば工事完了の確認所にサインをし、それと同時にリフォーム工事の図面などを受け取り、補償期間などを再確認して完了となります。

リフォームと保証の関係

例え優良業者と呼ばれる業者にリフォーム工事をお願いしたとしても、場合によっては工事してもらった場所に不具合が発生する可能性もあります。

契約前に保証について話し合っておくべきですが、リフォーム箇所が壊れたりした場合にはきちんと対処する必要があります。

  • 工事の保証は契約書を確認
  • 設備によって保証期間が異なる
  • リフォーム業者がなくなったら?

具体的には、工事をお願いする前にこれらを確認してみてください。

工事の保証は契約書を確認

リフォームにも様々なものがありますが、一般的には業者が何らかの施設を設置する際に、それに伴った工事を行うものがほとんどです。

例えば、システムキッチンを取り入れる場合も、システムキッチンをそのままキッチンに置くだけではなく、ちゃんと機能するようにしなければなりません。

しかし、その工事のミスによって何らかの不具合が出る場合は、その業者が独自で設定する保証を受けることになります。

保証期間はリフォームの場所によって変わってきますが、一般的な内装の工事に対しては1年程度、外装は5年や10年、構造に関する工事は5年程度に設定されています。

しかし、契約をする前にその保証に対してきちんと話し合っていない場合は、原則として保証期間は1年間になります。

具体的にどのような保証が受けられるのかも業者によって異なりますし、中には保証外として取り扱われる事例もあるため、事前にきちんと確認しておきましょう。

設備によって保証期間が異なる

先ほどはシステムキッチンの例を挙げましたが、業者が工事を行って設置したシステムキッチンの設備自体に不備が発見されるということもあります。

その場合は、システムキッチンを取り付けた業者ではなく、そのシステムキッチンを造っているメーカーから保証を受けることができます。

やはり設備によって保証期間は異なりますが、一般的には1年や2年に設定されているものが多いです。

そのため、リフォームからそんなに期間が経過していないにもかかわらず設備に不具合が出た場合は、メーカーに直接連絡を入れるのもよいでしょう。

なお、メーカーから保証を受けるためには、工事後に保証書をもらいきちんと保管しておく必要があるため注意しましょう。

リフォーム業者がなくなったら?

大手のリフォーム業者に工事をお願いしたのであれば問題ないかもしれませんが、規模の小さな業者やメーカーは場合によっては倒産することもあります。

例えばリフォーム後に工事を依頼した業者が倒産した場合、不具合が出たとしても追加工事をお願いすることができません。

しかし、一般的にはリフォーム瑕疵保険という業者が加入する保険から補修工事の保険金が出るため、業者自体がなくなっていてもあきらめる必要はありません。

業者が倒産したとしても、施主はその保険会社に直接請求できるため、別の業者に追加工事をお願いすることができるのです。

ただし、リフォーム瑕疵保険に加入している業者は多いとは言えないため、業者を選ぶ際の基準として瑕疵保険に加入しているところを選択するというのも方法の1つです。

まとめ:リフォームは打ち合わせが大切!

リフォームをはじめとする建設工事には、やはり様々なトラブルがつきものです。

中には悪徳業者が意図的に手抜き工事をすることで発生するようなトラブルもありますが、ほとんどは予期せぬトラブルであることが多いです。

その中でも、こちらがイメージしていたものと出来上がったものとが全く違うというようなトラブルは非常に不快です。

打ち合わせの段階からきちんと話し合っておけば避けられるトラブルも多いため、契約を結ぶ前の段階からきちんと業者と話し合いましょう

リフォーム計画の重要性。確実に成功させるための計画の立て方について

万が一トラブルが発生しても、工事後すぐであれば対応してもらえるのが普通ですので、まずは契約書を確認して業者に連絡を入れてみてください。

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